全て裏目に出る怒りと悲しさ
今日は天気予報通りに寒波がやってきた。神戸は深夜から強い西風が吹いて最低気温が1.8度まで下がった。昼間の最高気温も6度なので歩いているとかなり冷たい。それでも昨日の立春で新年を迎えたので、今朝は朝から妻と神社に参拝した。
毎年立春が過ぎたら参拝して昨年にいただいたお守りを奉納。そして新しいお守りをいただいている。今朝は寒風で身を清めてもらう気持ちで参拝して、二人そろって新しいお守りをいただいてきた。これでようやく本当の意味で新年を迎えた気分。無事に引っ越し先が決まりますように。
神社に参拝しておいてなんだけれど、この世には神も仏もないのか、と言いたくなる映画を観た。フィクションだけれど、きっと同じようなことは頻繁にあるんだと思う。主人公に感情移入すると、無鉄砲な行動を否定できない気持ちになった。
2025年 映画#19
『ドライビング・バニー』(原題:The Justice of Bunny King)という2022年のニュージーランド映画。
主人公のバニーは40歳の女性。中学生くらいの息子と幼い娘がいる。でも二人は里親に預けられていて、監視付きの面会しか許されていない。なぜならバニーは夫を殺して服役した。きちんと刑期を務めたけれど、住む家がないことで子供との同居許可が出ない。
バニーが暮らしているのは妹夫婦の家。妹は再婚で連れ子があった。妹の家の家事を必死でやり、昼間は道路に出て自動車の窓拭きで小銭を稼いでいた。でもなかなか家が見つからない。けれど妹の夫の了解を得て、ガレージに子供たちと住まわせてもらうことが決まった。
まもなく幼い娘の誕生日。親子3人で娘の誕生日を祝えることにバニーは有頂天になっていた。ところが妹の夫が連れ子であるティーンエイジャーのトーニャに言い寄っている場面を目撃してしまう。怒り狂ったバニーは妹の夫を殴った。その結果、妹の家を追い出されてしまう。つまりホームレスになってしまった。
それでも必死になって家を探した。かなり過激な性格で、やることも無鉄砲。そもそも夫の殺害も子供たちを守るためだった。どうにか家を見つけたバニーは、まずは姪のトーニャを助け出す。彼女の母親は継父の性的暴力を信じてくれないから。だから自分の子供を交えて4人で暮らそうとした。
ここから映画は大変なことになっていく。ボクもまさかの展開に驚いた。ホームレスになって娘との約束を守れそうにないバニーは、子供に会いたいくてたまらなくなり、禁止されている里親の家に行ってしまう。そのことが理由となって、バニーの知らない里親のところへ子供たちは移送されてしまう。
そのうえトーニャを連れ出したことで、誘拐犯として指名手配されてしまった。最終的には家庭相談所の職員を人質にとって立てこもることになった。人質を救う条件は子供たちを連れてくること。娘の誕生パーティーさえできれば、人質を解放するとバニーは言った。
というような大変な展開になってしまう。バニーのやること全てが裏目に出て、社会的信用や収入のない女性に公的機関が何もしてくれないことを痛感させられる。それでもラストシーンはどこかホッとする内容。ニュージーランド映画って初めてだったけれど、もう一度観たくなる素晴らしい映画だった。
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