年齢で変わる時間の捉え方
今日の神戸は最低気温が14.6度で、最高気温が22.6度。暖かいというより、ちょっと動くと暑いと感じる気温だった。でもおかげで年に1度のサボテンの土替えが順調に終わった。
昨日に古い土から出して根を乾燥させたサボテンたち。今朝の掃除が終わった後、綺麗に洗って乾かした植木鉢にサボテンたちを入れてあげた。土が新しくなったので柔らかくて根は伸ばしやすいし、土の栄養も十分に吸収できるだろう。
種から植えてちょうど12年になる。残念ながら今のところ花は咲いてくれない。でも写真でわかるようにツヤツヤとして元気そのもの。健康でいてくれるのが何よりなので、花のことはあえて彼女たちには言わないでおこう。
それよりも気になるのはこの子たちの寿命。サボテンは種類が多いので寿命は様々。でも環境によっては100年くらいは生きるそう。もしこの写真のサボテンたちが100歳まで生きるとすれば、まだ80年近くも生きることになる。とてもじゃないけどボクは最後までお付き合いできない(笑)
だからボクが遺言を書くとしたら、あるいは死期を知ったなら、このサボテンたちを誰かに引き取ってもらうつもり。ボクたち夫婦には子供がいないので、このサボテンたちの世話を引き継いてくれる人を見つけるのはボクの使命だと思っている。
そう考えると、時間というのは生物によって感覚が異なる。犬や猫なら長くて20年という時間しかない。人間の場合は長くて100年くらいで、平均的には80年前後になってくる。だとすればボクに残された時間はせいぜい20年くらいだと自覚するべきだろう。そんな人生の時間に関する本を読んだ。
2025年 読書#32
『自分の時間──1日24時間でどう生きるか』アーノルド・ベネット著という本。著者は20世紀始めのイギリスの作家。多作で有名な人らしけれど、ボクは著者の小説を読んだことはない。でもこの書籍を読むと、著者が時間を大切にして物語を綴ってきたことがわかる。
時間を有効に使うことについて書かれた内容で、著者の言葉からポイントだけをあげておこう。
「仕事以外の時間の過ごし方が、人生の明暗を分ける」
「1週間を6日として考えよ」
「習慣を変えるには、小さな一歩から始めよ」
「1週間のうち90分は自己啓発のために充てよ」
「計画に縛られすぎてはいけない」
これらの言葉に興味を覚えた人は、この本を読んでみると参考になるかも。とにかく大切なのは時間の捉え方だと思う。時間というのは二面性を持っていて、年齢によって全く正反対の性質を持つようになると思っている。
この世に赤ちゃんとして生まれて人生がスタートする。それは時間の始まりであり、「足し算」的な時間の捉え方をしていくのが普通。5歳になった、小学校に入学した、こんな高校や大学に行き、こんな仕事をしたい。そんな思いは未来へ向けた時間の「足し算」が基本になっている。
でもある時、その捉え方が全く異なる時期がやってくる。人生における時間は「足し算」ではなく「引き算」だったと実感する瞬間。例えばある人が80歳で死ぬとしよう。生まれた直後は0歳から80歳までの「足し算」に思える。
でも年齢を重ねると、実は人生における時間はカウントダウン、つまり「引き算」だったと気づく。永遠に続くように感じていた未来が、いきなり終わりに向かっていくカウントダウンだと気づく。ボクなんかモロにそう感じている。
ご飯を食べる回数は毎日減っているし、お風呂に入る回数もそう。本を読む時間も、映画を観る時間も、日々確実にカウントダウンされている。妻と過ごす時間も同じ。そしてミューナとの時間は昨年に終わってしまった。
つまり時間は常に「ゼロ」に向かって「引き算」されている。でもそう思えるようになるのは悪くない。むしろできる限り早く気づくほうがいい。深刻な病気になってから残り時間が少ないことに気づくより、元気で動けるうちに人生の時間がカウントダウンだと自覚するほうが有意義に過ごせる。
ボクは毎日の時間を大切にしようと意識している。そして少しでも笑顔でいられる時間を増やそうと思っている。終わりよければ全てよし、だからね。
ブログの更新はFacebookページとX、並びにThreadsとmixi2で告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。