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高羽そらさんインタビュー

人種差別が生む憎しみの連鎖

今日の神戸はすっかり春めいた雰囲気。最高気温が14.2度まで上がり、買い物の帰り道は久しぶりに汗ばんだ。何より嬉しいのは洗濯物の心配をしなくていいこと。昨日の夜の洗濯物は余裕で乾いたし、今日の午前中に買い物から戻って洗ったデニムもすっきりと乾いた。

 

でも天気が良くなった分、花粉の飛散も増えているんだろうなぁ。重症ではないものの、ボクもここ数年で花粉症になった。外出中はずっとマスクをつけているのでまだ症状は出ていない。でも今月いっぱいは気をつけないとね。

 

さて、昨日に引き続きアメリカの人種差別をテーマにした映画を観た。昨日の作品も酷かったけれど、今日の映画は自分が鑑賞者であることを忘れ、怒りを通り越して憎しみを覚えるほどの内容だった。ましてや人種差別を受けた当時の人たちの憎しみは想像を絶するだろう。

 

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2025年 映画#40

『ティル』(原題: Till)という2022年のアメリカ映画。写真の二人は親子で、母親はメイミー・ティル、そして14歳の息子はエメット・ティルという名前。それゆえこの映画のタイトルは『ティル』となっている。

 

この映画は1955年8月に起きた『エメット・ティル殺害事件』という実話を映画化した作品。エメットの父親は戦争で亡くなっている。母子家庭だけれど、シカゴで暮らす二人はそれなりに幸せに暮らしていた。

 

時代が時代なので差別がないわけじゃない。百貨店で二人が買い物するシーンでは、店員がそれとなく地下の黒人専用のフロアへ行くように言う程度。それを無視したからといってトラブルになることはない。メイミーは白人女性に混じってタイプライターの仕事をしていて、北部の黒人はそれなりに文化的な生活をすることができた。

 

でも南部では無理。メイミーの出身はミシシッピー州で親戚も大勢いる。その年の8月、息子のエメットは自分のルーツを知るためにミシシッピーの従兄弟の家で暮らすことにした。メイミーは不安を覚えていたけれど、経験を積みたいという息子の願いを聞き入れた。

 

ところが北部で生まれ育ったエメットは、南部の人種差別の実態を知らなさすぎた。従兄弟たちが少し目を離した時、エメットは食品店の白人女性に話しかけた。キャンディを買ったのと、その女性に対して「女優のように綺麗な方ですね」と言っただけ。

 

でもミシシッピーでは黒人が白人女性に話しかけるのはタブーだった。あわててエメットを引き戻した従兄弟たち。でもエメットはまだ事態の深刻さに気づいていない。飛び出してきた白人女性に対して、つい口笛を吹いてしまった。それが最悪の結果を呼ぶ。

 

その日の夜。その女性の夫たちがエメットが宿泊している従兄弟の家にやってきた。そしてエメットを拉致して連れ去った。結果としてエメットは遺体で見つかる。それもひどい暴行を受けて、顔だけでは本人だとわからないほど。

 

母親のメイミーは怒り狂い、息子の葬儀に際して彼の棺を開けたままで執り行った。マスコミに息子の姿を見てもらうことで、南部の差別の実態を世間に知らせようとした。その効果はあって、犯人たちは逮捕される。そして裁判が行われた。

 

でもミシシッピーでの裁判で黒人を殺して白人が有罪になることは考えられない。なぜなら被告、被告の弁護人、起訴した検察、判事、そして陪審員も全て白人だから。結論から言えば犯人たちは無罪となった。さらに事件から数年経ったあと、自分たちがエメットを殺したことを認めたのに無罪放免のままだった。

 

やりきれない気持ちになるけれど、少し救われるのはエメットの死がその後の公民権運動のきっかけになったこと。この事件だけではないけれど、それまでに同様のことが数えきれないほどあった。黒人の不満が爆発したことで、ようやく黒人にも参政権が与えられた。

 

ただ今でも人種差別は根強く残っている。白人による差別は黒人の憎しみを生む。そして黒人の怒りによる行動が白人の憎しみを呼び起こす。その連鎖反応が途切れることなく現在でも続いている。あとどれだけの人間が犠牲になれば人寿差別がなくなるのだろう。人間の心の闇は本当に深い。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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