小説の概念をぶち壊す作品
今日も4月並みの暖かい気温になった神戸。希望している引越し先マンションの空室チェックを兼ねて妻と散歩したけれど、上着なしのセーターだけでも汗ばむ陽気だった。明日は少し気温が下がるそうなので、薄手の上着で十分かも。
なかなか希望している部屋は空室にならない。引越し先をある程度絞っているので、時間がかかっても待つしかない。このまま空室にならなかった? という不安はある。
でも本気で引越し先を探すべきという衝動は消えないので、きっと落ち着く先は決まっているんだと思う。そう信じてできることを淡々とやっていくしかない。
さて、あまりに難解で何度も挫折しそうになる小説にトライしている。ようやく中巻を読了することができた。
2025年 読書#28
『ユリシーズ』中巻 ジェイムズ・ジョイス著という小説。上巻の感想については『意地になって読んでいる小説』という記事に書いているので参照を。
上巻の感想でも書いたように、とにかく長い小説。小さな文字で2段書きというだけでも読み進めるのが大変なのに、1952年に出版された書籍なので漢字表記が異様に古い。さらに活版印刷なので文字がかすれて読みづらいし、本文の用紙は今にも崩れてしまいそうなほど劣化している。
そして何よりも読みづらいのは、人間の心の中の妄想から雑念までの全てが文章化されていること。視点と話題がコロコロ変わるので、文章の流れについていくのが本当に大変。文体も登場人物による違いだけでなく、同じ人物でも急に変化したりする。
それほどの文章量なのに、物語はアイルランドのダブリンにおけるある1日を描写しているだけという内容。上巻は午前8時の出来事から始まり、この中巻のラストで午後10時まできた。下巻においては深夜までの物語になるみたい。
要するに難行苦行としか言えない小説で、上巻でも書いたように「意地になって」読んでいる。ただ不思議なもので、このつかみどころのない文章に馴染んでくると、なんとなくその世界に惹き込まれてしまう。
上巻は読み終えるまで本当にキツかったけれど、中巻に関しては少しスムーズになった気がする。それでも中巻だけで1週間ほどかかっているけれど。
ここまできたら最終の下巻まで読んでしまおう。近いうちに下巻を手に入れて、なんとか完走しようと思う。
もしこの作品から得るものがあるとしたら、小説というものは『自由』でいいんだということかも。これまでのボクの小説の概念をぶち壊す作品であるのは間違いない。そういう意味ではいい経験をしていると思う。
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