暴力は見るより聞かされる方がヤバい
昨日、ネットである記事を読んで幼い頃のことを思い出した。ボクが7歳の時に母は家を出てそれ以来一度も会っていない。その出来事はいきなり起きたわけではなく、ボクの記憶では4〜5歳の頃から両親が激しく言い合っているのを耳にしていた。
父がいない時、母に詰め寄られた記憶がある。「お父さんとお母さんのどっちについてくる?」と。もちろん返答できるわけがない。例えば父が一方的に母を殴っているようなDV男なら母についていっただろう。でも具体的な暴力沙汰を目にしたことはない。ただ二人が言い争っている声にひたすら「恐怖」を感じていた。
ボクが明確な答えを出さなかったせいか、母はボクに何も言わずに姿を消した。もし今も健在なら今年で83歳になる。とにかく両親の言い争いほど嫌なものはなかった。そんな記憶を呼び起こした記事がこれ。
「殴る蹴る」よりも脳の一部が16.6%萎縮する…「激しい夫婦喧嘩」を目撃した子どもの脳に起きる深刻なダメージ
リンク先の記事は、子供への暴力に関する研究結果をまとめたもの。体罰等の直接的な暴力から、先ほどのボクの例のように両親の喧嘩を子供に見せるという間接的な暴力まで含めて検証されている。
言うまでもなく最もヤバいのは体罰。具体的には記事を読んでもらうとして、結論から言えば幼い頃に体罰を受けた子供の脳は感情や思考をコントロールする場所が平均して19.1%も小さくなっているそう。おそらく体罰の痛みゆえに自分の感情や思考を抑圧するのだろう。
そんな子が成人すると、犯罪抑制力の低下を招いて強い攻撃性を示すらしい。つまり体罰を与えた親と同じような人間になりがち。最悪の場合は犯罪行為に走ることもあるそう。
それ以外にも子供への暴言の影響も深刻。特に日常的に接している母親による子供への暴言は、脳へのダメージがかなり大きくなる。いわゆる「毒親」に育てられた子供は脳の神経伝達の効率化を阻害し、情緒不安定な大人になってしまう可能性が高くなるとのこと。
そしてボクの経験した事例。夫婦喧嘩が子供に与える影響では、とても興味深い結果が出ている。記事から抜粋してみよう。
『実は、言葉のDVを目撃するほうが、身体的DVを目撃するよりも脳へのダメージが大きいのです。具体的には、視覚野の一部である舌状回の容積減少の割合が、身体的DVを目撃した場合は3.2%であったのに対し、言葉のDVを目撃した場合は19.8%にまでなっていました。言葉のDVが身体的DVの約6倍もの影響が見られたのです』
例えば父親が母親を殴っているところを子供が目撃した場合よりも、両親が言い争っている暴言内容を聞かせた時の方が6倍も悪影響があることがわかった。視覚よりも聴覚への暴力の方がヤバい。それも自分に向けられた言葉ではなく、両親が言い争っている声を聞くだけで脳へのダメージが発生するそう。
これってマジでボクの子供時代のこと。両親の言い争い等で脳にダメージを受けた場合、その子供のIQや記憶力が低下するらしい。大丈夫かボク? まぁ、現在の記憶がヤバイのは、年齢の影響だろうけれどね(笑)
両親も人間だから色々あるだろう。けれども子供の健全な成長を望むのなら、子供に対する体罰や暴言だけでなく、夫婦喧嘩も見せないようにするべきなんだと思う。喧嘩をするなら、子供の目や耳に入らないところでした方がいいかもね。
ブログの更新はFacebookページとX、並びにThreadsとmixi2で告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする