恋愛映画の肝心な部分が弱い
今日は夜と昼が同じ時間の春分の日。でもこんな気温の低い春分の日は久しぶりな気がする。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は的を得ていて、秋の彼岸は涼しくなるし、春の彼岸は暖かくなるもの。
でも今年は寒の戻りが彼岸の入りと同時にやってきたので、今日の春分の日も肌寒い1日だった。でもその寒さも今日まで。明日からは一気に気温が上がる予報なので、ダウンジャケットも今日でおしまいだろう。
春といえば恋の季節。カラスを観察していると、冬の集団生活が終わってカップルで飛んでいる姿をよく見かける。これから野生動物たちは、子育てに忙しい時期に突入するのだろう。そんな恋の季節にぴったりの恋愛映画を観た。
2025年 映画#46
『君がいた夏』(原題: Stealing Home)という1988年のアメリカ映画。写真のジョディ・フォスターが主演した恋愛映画。彼女は同じ年に公開された『告発の行方』でアカデミー主演女優賞を受賞しているので、『羊たちの沈黙』の前だけれどノリに乗っている時代の作品だろう。
主人公はビリーという男性。プロ野球選手を志していい線まで行っていたけれど、高校生の時に父親の交通事故死をきっかけにしてプロ選手を断念してしまう。失意の中で荒れた生活をしていた時、母から電話が入る。従姉妹のケイティーが自殺したとのこと。ケイティーとはもう何年も会っていない。それでもビリーはすぐに実家へ戻る。
ケイティーはビリーより6歳年上で、ビリーにとって初恋の相手。幼い頃からビリーの面倒をよく見てくれていて、思春期になると恋ごころを抱くようになった。高校生だった父の交通事故死の時も、ビリーを再び野球に戻したのはケイティーだった。そしてその夏だけ、二人は深い関係となった。
ケイティーの遺言は、彼女の遺灰をビリーに託したいとのこと。どうすればいいかはビリーが知っていると書き残していた。ケイティーとの回想シーンが映画のメインで、最終的にビリーが遺灰の埋葬方法に気づく場面がクライマックスという内容。
ジョディ・フォスターもまだ若くて綺麗だし、物語もそこそこ面白かった。ビリーの妹役でまだ若いヘレン・ハントも出演していて、なかなかお得感のある作品だった。でもこの恋愛映画は肝心な部分が弱い。
ビリーがなぜそこまでケイティーを好きなのだろう? 従姉妹で、かつ人生の節目でビリーを勇気づけてくれたのはわかる。でも高校生時代は好きな女性がいて初体験をしているし、物語ではケイティーとの接触時間が意外に短い。
ビリーのケイティーに対する想いがどうにも中途半端に感じられて、深く感情移入することができなかった。キャッチコピーの「誰にでも、一生忘れられない人がいる。」という言葉に説得力がないように思えた。二人の繋がりがもっと深く描かれていたら、「一生忘れられない人」という言葉の重さを感じられたになぁと思う。
でもちょっと無鉄砲でヤンチャなケイティーを演じたジョディ・フォスターは魅力的だった。彼女のファンとしては、それだけでもお得な作品かもね。
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