名作とB級映画の境界線
桜は満開に向かって花を開きつつあるのに、外の空気は寒の戻りでかなり冷たい。今日は上着なしで外出して、買い物の往路は少し後悔するほど寒かった。それでも神戸の上り坂は強敵。自宅に着く頃には冬の冷たい風が気持ちいいくらいだったからね。
今日はJR六甲道駅近くを歩いていると、大きなキャリーバッグを引きずっている学生らしき人たちを何人か見かけた。新年度が近づいたから、帰省していた学生が六甲の街に戻ってきたのだろう。ボクが暮らす六甲は神戸大学を筆頭にした学生の街。
だから大学が休みとなる夏休みや正月、そして年度末に街は一気に高齢化する。でもこれからは若い世代が戻ってくるので、六甲らしい活気が戻ってくるだろう。神戸大学構内の桜はメチャ綺麗なので、学生が本格的に戻ってくる前にお花見に行かなければ。
さて、一般的にはB級映画と呼ばれるであろう作品を観た。でもボクとしてはB級映画と決めつけてしまうのに躊躇する物語だった。
2025年 映画#53
『ウィング・ガールズ 米海軍航空隊』(原題:Called to Duty)という2023年のアメリカ映画。わかりやすく言えば女性版の『トップガン』という内容で、戦闘機の女性チームが実戦に巻き込まれて活躍するという物語。
条件的にはB級映画の要素が目白押し。アメリカの敵国は「北キヨン」という架空の国で、ミサイル実験を繰り返しているので北朝鮮がモデルなのは明らか。『トップガン マーヴェリック』では「ならず者国家」と言っていただけで、イランだとわかったけれどあえて国名を出していない。
でもこの作品では「北キヨン」という名前が使われていてダサい。俳優は知らない人のオンパレードだし、はっきり言って演技もイマイチ。ミサイル実験を繰り返す敵国のミサイル基地を破壊しにいくという設定も微妙。宣戦布告もせずにミサイル基地を破壊するなんて、アメリカの方が「ならず者国家」だろう。
この設定は『トップガン マーヴェリック』のパクリ感が強い。そのうえ敵の囮になって本物の戦闘機パイロットを誘導するのが、航空ショーで活躍していて実戦経験のない『ウィング・ガールズ』のチームだという設定もB級映画の匂いがプンプンする。
北朝鮮がモデルだとしたら、いまだに表向きは韓国との戦争状態が継続中。囮の戦闘機に翻弄されるようなレーダーシステムが配備されているはずがない。まぁ大抵の人はこの段階でB級映画の烙印を押してしまうだろう。
ところがボクは最後まで観て、どことなくそう言い切れない気がした。戦闘機のシーンはかなり迫力があったし、演技がイマイチでも登場人物のキャラが薄っぺらいことはなかった。もし何かが変われば、B級映画から名作に化ける可能性を感じる作品だった。
『ウィング・ガールズ』で生還したのは二人だけ。一人は意識不明の重体。ところが他のメンバーは戦闘機から脱出して「北キヨン」で捕虜になっているとのこと。ということでリーダーが仲間を助けに行くというシーンで終わった。
続編ありきの作品なんだけれど、現状としては難しいだろうなぁ。でもボクとしては、続編ができたら観たいなぁと思う作品だった。
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