固定観念を打ち破る苦悩
今日の神戸は不安定な天気で、晴れているのに突然雨が降ったりと落ち着かなかった。それでもどうにか午前中は晴れてくれたので、傘を持たずに外出することができた。ただ4月の中旬とは思えない気温で、夕方でも12度とかなり肌寒い。大阪・関西万博に行っている人は上着が必須だろうなぁ。
さて、これぞスティーブン・キングという小説を読んだ。よくこれだけ気持ち悪いキャラを思いつくよなぁ(汗)
2025年 読書#39
『アウトサイダー』下巻 スティーブン・キング著という小説。上巻の感想については『同時刻に2箇所にいた容疑者』という記事に書いているので参照を。
上巻はミステリ小説のような展開で物語が始まる。少年がレイプされて惨殺される事件が起きた。遺体の一部を食べた後もある。事件現場で容疑者のテリーという男性の目撃情報、さらに指紋やDNAも検出されたことで彼は逮捕される。
ところがテリーには完璧なアリバイがあった。犯行時刻に別の街で講演会に参加している映像が残っていて、同僚たちも一緒にいたことを証言している。さらにそのアリバイ先ではテリーのDNAも検出された。つまり同じDNAと指紋を持つ人間が同じ時間に別の場所にいたということ。
テリーは裁判所へ向かう途中、被害者の家族によって射殺されてしまう。テリーを逮捕した刑事のラルフがこの事件の謎に挑むという展開。そこで上巻の最後に登場するのがホリーという探偵事務所の女性。
このホリーはスティーブン・キングの過去作である『ビル・ホッジス』シリーズの登場人物。ビルの相棒として活躍した人物で、ビルが亡くなった後も探偵を続けていた。下巻はこのホリーが大活躍をすることで、事件の真相が明らかになる。ボクのようなスティーブン・キングのファンにとって、過去キャラが登場する最高に楽しい構成になっている。
比較的新しい小説なので、ネタバレはやめておこう。もちろん同じDNAを持つ人間が別の場所にいる理由は、スティーブン・キングらしい怪物が登場するから。その怪物をホリーが『アウトサイダー』と呼んだ。それがこの物語のタイトルになっている。
ラルフは普通の刑事で、超自然的な事実が信じられない。ホリーが次々と怪物の正体を証明していくが、彼は最後までその事実を認めることに抵抗する。でもそのままでは自分の家族まで命を落としてしまうかもしれない状況になった。
下巻の中盤以降は、それまでの固定観念を打ち破ろうとするラルフは葛藤を抱える。それでもようやくホリーを信じることで、怪物に正面から向き合おうとする。この過程がこの物語の醍醐味となるはず。
これは映像化作品で見たいなぁ。そう思って調べてみると、すでにドラマ化されていた。アマプラで調べてみると、10時間分のドラマが有料で配信されていた。とりあえずチェックしておいて無料になるのを待ってみよう。
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