音楽フェスはローンで行く時代
洋楽好きのボクとしては、生の演奏に勝るものはない。ライブの臨場感はその時空にしか存在しない唯一無二のもの。特に最近の来日ミュージシャンのライブは練りに練った演出がなされていて完成度が高い。ただし問題がある。それはチケットの高騰。
円安の影響もあるだろうけれど、とにかくチケットの値段に驚く。まだライブハウスでの立ち見ならリーズナブルな値段設定になっている。でもドームツアーレベルのライブだと、チケットの値段は余裕で万単位。少しでもいい席が欲しくてプレミアムチケットをゲットするのなら、アーティストによってはさらに桁が上がってしまう。
チケットの高騰は日本に限らず海外でも同じ。つい先日、アメリカの最大級の音楽フェスであるコーチェラが開催された。レディー・ガガやエド・シーラン等の大物ミュージシャンが多数出演している。このコーチェラに参加するアメリカの若者たちの多くは、なんとローンを利用してチケットを手にしているそう。
高騰する音楽フェスチケット、懐に余裕がない米若者世代の後払い「BNPL」頼み鮮明
高額のチケットは若い世代にとってはキツい。でもライブに行きたい。そこで利用されているのがBuy Now Pay LaterというシステムでBNPLと呼ばれている。コーチェラに参加した人たちの6割がこのBNPLを利用しているとのこと。そのシステムの概略を記事から抜粋してみよう。
『今年の一般入場券価格は599ドル(約8万5000円)だったが、BNPLプランならわずか49.99ドル(約7000円)の頭金と手数料41ドル(約5800円)を支払えばチケットを確保できた。決済サービス事業者が利用者の購入代金を立て替えて小売業者に支払う従来のBNPLとは異なり、コーチェラのシステムでは購入者が月賦で残金を返済し、運営元とチケット販売業者が収益を折半する。
チケット代だけでなく、ホテル宿泊費やコーチェラ名物のフェスファッションにかかる衣装代、タコスとレモネードで100ドル(約1万4200円)する食費などにもBNPLを利用する参加者が相次いだ。そこには、限られた予算でフェス体験をめいっぱい楽しもうという強い意志が感じられる』
一般入場券で8万円以上もするなんてさすがにキツい。それでもライブに参加したい若者は、BNP Lを利用することで手持ちの金銭が少なくても楽しむことができる。ついでに宿泊費等もローンを組むことで、年に1度のライブを最高の時間にすることができる。
もちろんその後にローンの支払いが待っている。でも過去の例によると、BNPLを利用した人はきちんと完済しているそう。クレジットカード利用によるローンの金利だと年に20%という多額の利息が必要。でもBNPLを利用すると手数料はチケット代の8%を支払うだけ。そりゃ利用するよね。
ボクはBNPLを利用するアメリカの若者たちを否定する気はない。「体験」を購入するというのが現代の生活基盤だから。年に1度の音楽フェスを楽しみにして、他の期間は頑張って働くという図式でいいと思う。ボクも10代から20代の頃に数えきれないライブに参加して、その経験がとても貴重なのだと実感しているから。
ローンを否定するのではなく、自分への投資として前向きな利用をしていけばいいと思う。ただ、あくまでもきちんと返済できるめどが立つことは前提だけれどね。自分の経済的な力量を判断できない人のローンはやめておいた方が賢明だと思う。
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