米国ではマスク着用が犯罪
ボクはコロナ禍以来マスクを着用する習慣がついた。真夏に外を歩く時以外、ほぼ1年中はマスクを着用して外出している。マスクの効用には様々な意見があるけれど、少なくとも咳やくしゃみで飛沫を他者に向けて飛ばすことがないし、他人の飛沫からも守られる。
マスクはウイルスから完璧に守ってくれるわけではないけれど、少なくとも何もしないよりは圧倒的に効果がある。アメリカのCDC(米国疾病対策センター)でもマスクについて次のように公式見解を発表している。
• 感染者がマスクを着用することで、ウイルスの飛散を低減できる
• 非感染者はマスクを着用することで、空気中の感染性粒子を吸い込むリスクを低減できる
これは本当にそうだと思う。実際ボクはコロナ禍以降にコロナやインフルエンザだけでなく、風邪さえ一度もひいていない。もちろん妻も同じ。風邪をひかないのはマスクだけが理由ではなく、食生活やストレス等の他の要因も影響しているだろう。
それでもマスク着用が習慣化する以前は、たまに風邪をひいたし、インフルエンザっぽい症状を経験したこともある。でも5年以上も全く風邪をひかないという点から見て、マスクの効果は絶対に無視できないと思う。
ところがアメリカではマスク着用が犯罪になる傾向が主流になりつつある。
ニューヨーク州の知事は、マスクを着用して他者の安全を脅かす行為を刑事罰の対象とする法案を検討している。テキサス州でも同様の法案が提出されていて、ノースカロライナ州やニューヨーク州ナッソー郡など他の多くの自治体も同じ理由でマスク着用を禁止している。
その理由として、マスクを着用した学生たちのデモが頻発しているから。トランプ大統領の政策に抗議するデモが起きていて、リンク先の記事でもマスクを着用して歩く学生の姿がアップされている。
そもそも欧米ではマスクに関して否定的な印象を持っている人が多い。それゆえこうした法案が提出され、そのまま可決することが起きるのだろう。ところがマスクを着用せざるを得ない弱者に対する配慮が全く見られない。
もちろん法案では健康上の理由でマスクを着用することは認められている。化学療法を受けているがん患者、ステロイドを服用中の人、臓器移植を受けた人、慢性疾患を抱えている人などはマスクの着用は命に関わる。だからその点は法案としては配慮されている。
でも実際に法案が可決されて施行された場合、健康上の理由でマスクをしている人をどうして見分けるのだろう? 「マスクが悪」というイメージだけが一般に浸透すれば、免疫等の問題でマスクをしている人は外出できなくなる。
そうした弱者に配慮できない政治の方向性は、今の人類意識の限界が見えているようで悲しい。マイノリティが切り捨てられていく社会は、やはりどこか構造的に歪んでいると思う。
とにかく旅行でアメリカに行く日本人は、マスク着用について注意した方がいいかもしれない。場合によっては犯罪者扱いされるかもしれないからね。
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