ついに一国一城の主に
今日の神戸は朝から移動性高気圧に覆われた晴天で、最高気温は24.4度という夏日の一歩手前まで上昇した。やや大物の洗濯をするのに最適なので、妻は朝からせっせと洗濯物を運んでいた。本当にいい季節だね。
こんな日は「春眠暁を覚えず」で、ついウトウトしてしまう。でも可能ならばそんな時は15分くらいでも軽く眠るだけで、その後の作業は格段に能率が良くなる。若い頃はある程度の無理はできた。日付が変わるまで残業しても、翌日には普通に出勤していた。
でも年齢を重ねると適当なタイミングで「休み」を挟んでいくのは大切。ボクの場合は脳の疲れは読書や囲碁ゲームで計測している。本の活字を追いかけてもピンとこなくて何度も戻ったり、囲碁ゲームをやっても単純ミスでコンピュータに惨敗する時はかなり脳が疲れている。
何かをやろうとして意欲的になれない時は、休息を取るサインだと思うようにしている。対策としては実質的な休憩を取る場合もあれば、ちょっとした気分転換でリフレッシュすることもある。年齢を重ねると、そうして自分をなだめる方法を身につけていくほうがいい。無理をさせると全力でストライキを始めるからね(笑)
さて、そんな休息など晩年まで必要としなかった人物の物語を読んでいる。ついに主人公は一国一城の主となった。
2025年 読書#48
『新書太閤記』第四分冊 吉川英治 著という小説。ボクが小学生の頃に初めて読んだ時代小説。大長編の物語だけれど、電子書籍の青空文庫で11の分冊になって配信されている。何度も読んだ懐かしい物語だけれど、久しぶりなので新鮮な気分も味わっている。
この第四分冊は徳川家康の受難から始まる。武田信玄が上洛をするために大軍を動かした。それを阻止しようと徳川軍は戦いを挑んだが。有名な三方ヶ原の合戦で大敗する。伝説としては家康が命からがら「ウンチ」漏らしながら逃げたと言われている。
ところが一気に武田軍の動きが鈍くなる。その理由は武田信玄の病死。織田信長は足利義昭を室町幕府の14代将軍に迎えて京都を抑えた。ところが義昭は世話になった信長に反抗するようになり、三好・松永の残党、大阪の本願寺勢力、比叡山の僧侶、浅井・浅倉の連合軍、そして武田信玄に誘いをかけて信長を挟み撃ちにするつもりだった。
ところが信玄の死によってその企みが崩壊。信長はあっという間に義昭を京都から追い出し室町幕府を滅亡させた。そして以前に煮湯を飲まされた朝倉義景を撃破。さらに妹のお市を嫁がせたのに、信長を裏切った浅井長政も滅ぼした。
この場面の見どこるは豊臣秀吉こと木下藤吉郎の活躍。長政が籠城する小谷城の重臣を味方につけ、かつお市と3人の娘を救い出した。当然ながらその3人の娘にはのちの淀君の茶々がいる。
その活躍が評価され、藤吉郎は浅井領を信長より与えられた。そこで彼が築城したのは当時の今浜で、築城後は長浜と改名されている。現在では再建された長浜城が滋賀県の長浜市にある。藤吉郎はそれまで墨俣に城を与えられていたけれど、城というよりは砦のようなもの。だから藤吉郎にとっては初めて自分が手にする本格的な城になる。
長浜城に妻の寧々と母を呼び寄せた藤吉郎。大名となったことで名前も羽柴秀吉と改め、やがて天下人となる下地ができた。次の第五分冊はいよいよ天下布武を目指す信長の躍進が語られるだろう。まだ残りが7分冊もあるので、しばらく戦国の世界にじっくりと浸れるので幸せ。
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