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高羽そらさんインタビュー

ソフトなのに超絶奥深い物語

いやぁ、今日はマジに暑い。神戸の最高気温は30.1度で、今年になって初の真夏日となった。朝のうちは雨が降っていたのに、その後は一気に晴れて気温が上昇した。けれど空気が昨日までと違って乾燥しているので、夕方になって久しぶりに5月らしい気持ちのいい空気を感じている。

 

今日はミューナの月命日。そんな今日、とても興味深いことがあった。Xでもポストしたように、ミューナは死んでからもボクたちのそばにいることを伝えてくれていると感じることが多い。そう思うのは、ミューナにまつわることでゾロ目が多いから。

 

ミューナが亡くなったのは11月22日の午前11時44分。これだけでもゾロ目が目立つ。これまでに2度、妻は変性意識でミューナに会っている。その時間が2度とも午前4時44分。ゾロ目の数字をボクたちに見せることで、いつもそばにいることを伝えてくれる気がしている。

 

今日は妻とある場所に出かけた。出かける前に見えないミューナに声をかけて一緒に来るように言った。そしてその場所の受付で整理番号のカードを手にしてビックリ! 22日の今日にもらったカードの番号が『222』だった。

 

これを単なる偶然だと考えることもできる。でもそんな野暮なことはしない。目に見えなくてもいつもそばにいるよ、というミューナのメッセージだと確信している。ミューナが旅立って半年経っても、彼のいない生活に慣れないし寂しく思う。でもこうしたメッセージを受け入れることで、前向きに感じられる時間が増えている気がする。

 

大切なメッセージというのは、意外と何気ないところに仕込まれている。ある小説を読んで、そのことを再認識できた。

 

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2025年 読書#51

『無限大ガール』森絵都 著という小説。特に感動的なエピソードがあるわけでもないソフトな青春小説。ところが読む人によっては、『悟り』につながる重要なメッセージが隠されている物語だった。それは著者が意図したものかどうかわからないけれど。

 

主人公の早奈は「日替わりハケン部員」をやっている。そこそこ運動神経が良く、器用なのでいろんなことができる。ずば抜けてはいないけれど、無難にこなしてくれるので重宝されていた。けれどなんでもできる早奈は強いコンプレックスを持っていた。

 

高校生になって憧れの先輩と交際できた。でも器用な早奈は七変化のように相手に合わせることができる。どんなことも受け入れて対応することで、かえって彼にフラれてしまった。「早奈には自分というものがない」というのがその理由。

 

なんでもできるけれど、「自分らしさ」とか「自分を主張」することができない。カメレオンのように周囲の色に染まってしまう。そんなある日、早奈は演劇部から助っ人を依頼された。ある役を演じていた部員が演出をしている先輩とうまくいかなかったから。

 

それで代役を引き受けた早奈はすぐに後悔した。その芝居の脚本と演出をしているのが別れた彼氏だったから。そこで早奈は「役に成り切る」ことに徹する。元々「自分」が希薄なので、役が入り込む余地は十分にある。

 

稽古を始めた途端、そんな早奈の才能が開花する。「自分」がない分、架空のキャラを完璧に取り込んでしまう。そのキャパは無限大なので、『無限大ガール』というタイトルになったのだろう。そして早奈は新しい自分を発見していくという物語。

 

ボクが感動したのは「自分が存在しない」主人公が、無限大の空間を精神に持っているというところ。つまり人間から『自我』を排除すれば、そこには『宇宙意識』が存在するということ。これはまさに『悟り』の状態を表している。

 

つまり『自分がある』という人は、かえって『自分』という枠組みに無限大の意識を閉じ込めてしまっているということ。とてもソフトな物語だけれど、超絶に奥深いメッセージを感じる作品だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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