餅は餅屋、呪術師は呪術師
今日は朝から雨の神戸。比較的冷たい空気も入ってきたので、昼間になっても気温は20度以下という4月頃の気候。大阪・関西万博に行っている人は、雨だし寒いし大変だろうな。
我が家のバルコニーは大阪湾に面していて、やや遠景だけれど万博会場が見える。特に夜になって灯りが入ると、細く伸びた白い帯のような光がよく見える。今のところボクは万博に行く予定はないけれど、10月の会期終了まで事故等がなく無事に開催できることを心から願っている。
さて、やや変わった雰囲気のスリラー映画を観た。どのような結末にするかと思っていたら、いわゆる「餅は餅屋」という言葉をそのまま映画にしたようなエンディングだった。「餅は餅屋」というのは、「物事はそれぞれの専門家が最も得意な分野なので、専門家に任せるのが一番いい」という意味。
2025年 映画#87
『ブラッド・チェイサー 呪術捜査線』(原題:Muti)という2022年のアメリカ映画。B級映画の匂いがするタイトルだけれど、とりあえずモーガン・フリーマンが出演しているのでチョイスした作品。でも想像していたよりよくできた物語だった。
最初の事件はイタリアのローマで起きる。刑事が事件現場に駆けつけると、祭壇のような場所で殺されている若い女性の遺体が見つかった。身体は無惨に切り刻まれている。
逃げていく犯人らしき黒人の男性。刑事はどうにか追い詰めたのに、逃げ場がない場所で魔法のように消えてしまった。この黒人がランドクというこの物語の犯人。舞台はアメリカのミシシッピー州に変わる。アメリカでも同じ事件が発生して、少年少女が殺された。
主人公はボイドという刑事。ややアルコール依存症の傾向があり、不注意で娘を死なせてしまい、その悲しみから妻が自殺してしまったという暗い過去を持つ人物。事件の遺留品からアフリカの呪術関連のものが見つかったことで、ボイドは専門家に相談することにした。
その専門家はモーガン・フリーマン演じるマックルズという、南アフリカ出身で民俗学の大学教授。ボイドから事件の状況を聞いたマックルズは怯えた様子でこの事件に関わらないと言い出した。それでもボイドの説得に応じて捜査に協力することになった。
ランドクが行っているのは「ムーティ」という恐ろしい儀式。生け贄の肉体の一部を切り取ってパワーを得ることで、依頼者にその部位を食べさせる。それによって依頼者はそのパワーを使うことができる。
ボイドはランドクに依頼した人物を見つけ、ランドクも追い詰めた。ところが呪術を使うランドクを捕まえることはできない。でもラストである重要な事実が明かされる。
ネタバレをすると、マックルズという大学教授はランドクと同じ呪術師だった。それもランドクが教えを乞いに行ったほどの実力者。だから神出鬼没のランドクでもマックルズには勝てなかった。同じ「ムーティ」の儀式でマックルズやランドクを殺す。
ラストシーンでは、刑事のボイドにマックルズから宅配物が届く。そこに入っていたのはランドクの目玉だった。つまりパワーの源。当然ながら事情を知っているボイドは、それを口にするというエンディングだった。気持ち悪いけれど、なかなか見応えのある作品だった。アクションシーンにもう少しキレが欲しかったけれどね。
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