お金はあった方がいいけれど…
ボクのように還暦を過ぎると、終活に伴う老後資金を考えることが増える。ボクが理想としているのは『DIE WITH ZERO 人生が豊になりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス著という本に書かれている生き方。
わかりやすく言えば、死ぬ瞬間に自分の財産もゼロにするというもの。必要な資産を使い切って人生の終盤を楽しむことができたら最高だと思う。この生き方を完璧にできる理想的な条件がある。
・老後資金がある程度準備できること。
・人生の終盤を楽しめる健康状態であること。
・明確な死期を知っていること。
これはあくまでも理想的な条件。人間にとって老化は避けられないので完璧な健康状態を維持するのは難しい。とりあえず自由に旅行に行ける程度の健康状態であれば最適。もちろん最初の条件である老後資金も必要。ただし3つ目の条件が満たされたなら、手持ちの資金が少なくても対応できる。
ところがその3つ目の条件が最も難しい。自死を選択しない限り、自分の死期を知ることは難しい。だから必然的にどれだけの老後資金が必要になるかが計算できない。思ったよりも長生きになれば、老後資金が枯渇するかもしれない。要するに『DIE WITH ZERO』という生き方にはそれなれりの壁がある。
でも理想を追い求めるのは大切。ボクはその理想に向けてできる限りのことをやっていくつもり。ただこの生き方を完成させるために、絶対に欠かせない必須事項がある。自分の死期は予測できなくても、老後資金があって、ある程度の健康をキープしているとしよう。でもその必須事項が欠けていると完成しない。
まさにそんな状況に陥っている人を取り上げている記事があった。
何もしないで1日が終わります…資産運用で「資産1億円」を達成した68歳元会社員。人生勝ち組のはずが、潤沢な残高を見ても“心は空っぽ”の老後「時間が取り戻せたら」
リンク先の記事はなかなか切ない内容。68歳の男性について書かれているもので、この男性は老後資金として1億円を貯めることができた。収入は普通のサラリーマンだったけれど、コツコツと堅実な株投資をすることで1億円まで積み上げた。
そのためには若い頃から節約して、楽しみを犠牲にしつつお金を貯めた。そして定年になっていよいよ老後を迎えた時、それまでの人生を後悔するような状態に陥っている。
先ほどの条件の老後資金と健康状態は達成できた。死期について知ることは難しいけれど、とりあえず1億円の資産と年間の株式配当でお金の心配は全く必要ない。なのに老後の人生を謳歌することができない。それは先ほど書いた必須事項が欠けているからだと思う。
その必須事項とは、「自分を楽しませる方法を知っている」というもの。
どんなことでもいいからワクワクすることを持っていることは大切。趣味でも仕事でも、あるいはボランティア活動でもいい。本当に自分がやりたいことを持っていないと、老後資金と健康が手元にあってもこの男性のように途方に暮れてしまう。
お金は十分にあるのに、何もしないで1日が終わってしまう。そんなもったいないことをと思うけれど、この男性にとっては切実な問題なのだろう。資産を積み上げることが生き甲斐でもあった。だからそれを達成してしまうと、自分には何も残されていない。
生きていくためにはお金は必要。けれどもお金の使い方、あるいは人生の楽しみ方を知らないと、どれだけ資産があっても幸せな気持ちにはなれない。老後資金を考えるのも大切だけれど、自分のワクワクを追いかけることも忘れてはいけないと思う。でも1億円もあったらいいよなぁ。やっぱお金か(笑)
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