マンション大規模修繕の深い闇
京都時代から含めて分譲マンション暮らしは30年近くになる。個人の資産だとはいえ、区分所有というシステムゆえに共有部分に関わっていかなければいけない。そこで所有者で組織する管理組合が管理会社と契約することになる。通常は分譲前に管理会社が決まっている。
個人的なことだけれど、今のマンションにおける管理会社のあり方について疑問に思っていることがいくつもある。今年は賃貸に転居する計画なので、そのうちどうでもいいことになるんだけれど。そんな管理会社の動向で怪しく思えるのがマンションの大規模修繕。
マンションの規模にもよるけれど、億単位のお金が動くことになる。この大規模修繕の施工費用に関して、以前から気になっていたことがある。埼玉県の物件だけれど、そんなボクの危惧が現実化しているマンションがあった。
埼玉の築40年超のマンションで、大規模修繕が「塩漬け」になっている…住民が大混乱する「異常事態」が起きた意外な理由
リンク先の記事を読んだら、分譲マンションから逃げ出したい気持ちになる。マンションの資産価値を少しでも落とさないため、大規模修繕は絶対に欠かせない。そのために毎月修繕積立金を管理会社経由で支払っている。でもその積立金を不当に搾取されているとしたら? 実際にそのようなことが起きている。
詳しい内容はリンク先の記事を読んでもらうとして概要だけを書いておこう。埼玉のマンションは今年の6月に大規模修繕を予定していた。修繕積立金として使えるのは2億円ほど。そこでB設計というコンサル会社に見積もりを依頼した。すると3億円もかかるとのこと。
それではとても大規模修繕ができない。そこでB設計の推薦によって大手の工事会社の数社に見積もりが依頼された。結果として2億円弱の見積もりが出てきた。最終的に決まったのはA社という施工会社。
ところが今年の3月になって公正取引委員会が大規模なガサ入れを実施した。複数の会社が談合を繰り返して工事金額を引き上げていたという疑い。そこにこのマンションが依頼したA社が含まれていた。
結果としてA社は施行を自主的に辞退。このマンションは大規模修繕ができずに宙ぶらりんの状態になっている。ただその談合の仕組みがA社等の施工会社だけではないという可能性が高い。
ここからは記事の著者の推測になるけれど、最初に設計を受けたB設計が関与していると見られている。そのマンションの予算を知って、それよりもはるかに高い見積もりをわざと提示する。そこで意気消沈した管理組合に、予算内で収まりそうな数社を斡旋する。
でも談合によって施工する会社はすでに決まっている。管理組合はその流れに乗せられていて、自分たちで選んだように錯覚しているだけ。そうした談合によって設計監理、施工会社、さらに管理組合の味方であるはずの管理会社にも利益がもたらされることになる。
つまり管理会社もその談合に一枚かんでいる可能性が高い。このマンションの管理組合が施工会社の談合について相談したところ、A社が管理会社の系列なのでどうしようもないという返事をしてきただけ。どう考えても談合に関わっていたとしか思えない。
京都でも神戸のマンションでも気になったのは、大規模修繕において管理会社が受領する費用。顧問料や管理料という曖昧な名目で、かなりの金額が管理会社に流れている。普段の管理費を抑えて顧客を捕まえつつ、こうした大規模修繕とガッポリと稼いているという印象を以前から持っていた。
リンク先の記事によると、多くの管理会社や施工会社は、マンションの修繕積立金の口座を「貯金箱」と呼んで手を伸ばしているそう。埼玉の事例はガサ入れがあったからわかったこと。おそらく普通は住民が知らないところで談合が進められ、「貯金箱」からお金が出ていっているのだろう。
あぁ、さっさと引っ越ししてマンションを売ってしまおう〜〜!
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