こんな叔父になりたい
やっぱりまだ寒い。今日は断食しているせいか、さらに寒さがこたえる。関東ではかなり気温が下がっているようで、場所によっては雪かもというニュースを見た。
だけど来週になれば4月だからね。さすがに暖かくなると思う。それまでに仕事を片づけようと、今日も朝からパソコンに向き合っている。
断食なので時間が有効に使えるから、ブログを書いているこの時間で今日のノルマをクリア。明日からはラストスパートかな。
もちろんインプットも意識している。今日も素敵な映画を観た。
『センチメンタル・アドベンチャー』(原題:Honkytonk Man )という1982年のアメリカ映画。
監督・主演はクリント・イーストウッドで、結核を患うカントリー歌手を演じている。
歌の才能もあるし売れる曲も書くけれど、酒びたりの自堕落な生活でイマイチ成功していない。おまけに結核にかかっているのに、医者にも診せようとしない。
それでも歌手としての成功を目指して、ナッシュビルでのオーディションを受けるために向かう。ところが車の運転はまともにできないし、病気は悪くなるばかり。そこで甥っ子が運転手としてナッシュビルまで同行することになった。
その旅がメチャメチャ面白い! 詐欺まがいの犯罪に手を染めたり、売春宿に甥っ子を連れって行って初体験をさせたり、おまけにマリファナまで吸わせてしまうというとんでもない旅。
でも甥っ子のホイットは、叔父のレッドを尊敬している。それはミュージシャンとしての素晴らしい姿を見たから。時代は世界恐慌のころで、満足な仕事は見つからない。このまま大人になっても、父親と一緒に農作業に明け暮れる日々が待っているだけ。
だから自分も叔父のようなカントリー歌手になることを夢見る。ホイットの母親がナッシュビルまで行くのを許したのは、兄のレッドの身体が心配だから。
ホイットは歌詞を書く才能があり、レッドはその歌詞の曲でオーディションを受ける。とてもいい感触で、オーディションは余裕で通りそうな気配。ところが途中で咳き込んだことにより、採用は見送られる。
これ以上歌わせたら命の保証はできない、とホイットは医者に言われる。ところがオーディションを見ていたレコード会社がやってきて、レッドの歌を録音したいという。
ホイットは必死で止めようとするが、レッドは最後のチャンスにかける。それは自分の生き様を甥っ子に見せようとしているかのようだった。最後の最後まで歌いきり、レコーディングを終えて息を引き取る。
「死」を扱っているけれど、決して暗い映画ではない。むしろ笑うことが多いし、言葉にできない心の躍動感を喚起するパワフルな作品だった。
自分の好きなことのために生き続けた叔父の姿は、ホイットの心にしっかり焼きついていると思う。
めちゃカッコいい叔父さんだった。あんな男になりたいと思う。好きなことに命をかけるなんて、決して簡単なことじゃない。でもそんなことが可能なんだ、と思わせてもらえる映画だった。
ちなみにこの甥っ子役を演じた少年は、クリント・イーストウッドの実の息子で、カイル・イーストウッドという名前。
音楽好きの父の影響で、ミュージシャンになっている。父親の映画の音楽も手がけているらしい。もしかしたらこの映画に出演したことが、ミュージシャンになるきっかけになったのかもしれないね。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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