答えはすぐにわからないほうがいい
神戸は美味しいパン屋さんとケーキ屋さんが多い。特にボクが住んでいる神戸市灘区は、自信を持って推薦できるベーカリーやパティスリーがいくつかある。
それでもより美味しいものを食べたいという欲望はある。だから情報をゲットすると、試してみようと思う。
地元の阪急六甲駅近くに、最近オーブンしたパン屋さんがある。お隣の東灘区の御影に本店があるお店で、かなりの人気店らしい。芦屋の有名店で修行し、日本最高の朝食だと言われた神戸のホテルのベーカリーの立ち上げにも関わった人らしい。
ボクの自宅からすると、少し駅を行き過ぎなくてはいけないので、なかなか行くことがなかった。でもこのままでは気になるだけだから、今日は思い切って新規開拓に出かけることにした。
日本で一番美味しいと確信している馴染みのパン屋さんの前を素通りして、そこから徒歩5分くらいのお店に立ち寄った。商品の見た目はまずまず。そのお店は狭いので、販売だけになっている。
本店の御影で焼いたパンをそこまで運んでいるので、香りに関しては焼きたてを出している馴染みのパン屋さんの勝ち。これは仕方ないだろう。でも期待に胸をふくらまし、美味しそうなパンをみつくろった。
買い物をしているときも、その期待が続いている。午後のオヤツに食べるのを楽しみにして、ワクワクしながらいつもの買い物を済ませた。この時間が楽しいんだよね。答えがすぐに出ないから、そのあいだは幸せな予感で心がいっぱいになっている。
そして午後になって美味しいコーヒーを淹れ、早速買ってきたパンを食べた。
……。
……。
とっても残念な結果だった。もう二度と行くことはないだろう。悪口になるので論評はしないけれど、とにかく『心』がない。見た目ばかりで、パンに対する愛情を感じない。つまるところ、お客さんに対する愛情が希薄だということ。
でも久しぶりにドキドキワクワクして楽しかった。答えはすぐにわからないほうがいい、ということを実感させてもらえた。これは映画でも同じ。そうした映画は楽しめる。昨日はそんな映画を観た。
『天使と悪魔』という2009年のアメリカ映画。先日に観た『ダ・ヴィンチ・コード』の続編にあたる映画だけれど、原作ではこちらが先になるらしい。
この映画も記憶の反復のために観た。バチカンで新しいローマ法王を決めるための『コンクラーベ』が物語の中心だったのは覚えている。イルミナティという秘密結社が関わっているのも記憶している。でも前作以上に、詳細な記憶が飛んでいた。
最初の『反物質』を作っているシーンでも、まだ記憶が戻らない。亡くなったローマ法王の秘書役を演じていたユアン・マクレガーの顔を見て、ようやく全体の流れを思い出した。ずいぶん前に観て以来だから、そんなものだよね。
『反物質』がイルミナティに奪われ、法王候補の枢機卿の4人が誘拐される。トム・ハンクス演じるラングドンが謎を解かないと、次々に人質が殺され、最後には『反物質』を保護する容器のバッテリーが切れ、物質に触れることで対消滅を起こしてバチカン全体が破壊されてしまう。
なんとか4人目の枢機卿を救って事件が解決されるけれど、最初から協力者であり善人にしか見えなかったユアン・マクレガーが、実は真犯人だったという設定。これも答えがすぐにわからないから、最後まで楽しめる。
映画では定石のパターンだけれど、彼の真面目そうな雰囲気がそのことを疑わせないようになっている。さすが『スターウォーズ』で、若き日のオビ=ワン・ケノービを演じただけのことはあるよね。
これは原作を読んでいない。前作とちがって、原作とは設定がちがうらしい。気になるので原作も読んでみようかな。このシリーズはたしか4作あったはず。『インフェルノ』という作品は、たしか去年くらいに映画化された記憶がある。
いい機会だから、どちらもチェックしてみよう。まずはすべての原作を通して読んでみるか。大量の本に追われているから、いつになるかわからないけれどね。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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