ミツバチの会議
今日も湿度は高いけれど、曇っているせいかそれほど暑くない。最高気温は31度だったので、ボクの感覚はまちがいじゃなかったらしい。31度で涼しく感じるのだから、人間の感覚は相対的だということがよくわかるよね。
だから今日は、かなり久しぶりに帰り道を歩いて帰った。汗はたっぷりかいたけれど、運動できて気持ち良かった。さらにその帰り道、とんでもないイケメンに出会った。
いつも通っているスーパーの近くにいるニャンコで、たまに見かけていた。ずっと女の子だと思っていたけれど、この室外機の家の人がちょうど外出するときで、男の子だと教えてもらった。名前はジュニアというらしい。
まだ若いのかな? それにしてもイケメンだよね。この家のニャンコじゃないらしいけれど、よくなついていた。きっといつも優しくしてもらっているんだろう。夜はどこで寝ているのかな? 元気に過ごして、暑い夏を無事に乗り切ってね。
猫と暮らしていると、彼らの知能の高さに驚くことがある。ミューナなんて、いつもボクたち夫婦の寝る時間と起きる時間を把握している。少しでもいつもの時間を過ぎようなものなら、あからさまに抗議してくる。季節による変動はないから、どう考えても時計を見ているとしか思えないw
ところがそんな猫の知能なんて、ぶっ飛ぶような高い知性を見せる動物がいる。それはミツバチ。
『ミツバチの会議 なぜ常に最良の意思決定ができるのか?』トーマス・シーリー著という本を、昨晩に読了した。
著者はミツバチの研究に関する世界的な権威で、いくつも著作を残している大学教授。この本を知ったのは、あるネットの記事だった。大学教授が集まる教授会において、ミツバチの意思決定方法を応用しているという記事だった。
その方法がとてもユニークで興味を引いたので、この本を読むことにした。読み始めていきなり驚かされることになった。ミツバチというのは、とんでもない能力を持っている。
美味しい蜜があるお花畑を見つけたとしよう。ミツバチの働きバチは巣に戻ると、独特のダンスをする。それはそのお花畑の場所を教えるダンスだった。
お尻を震わせるようなダンスをすることで、まずはその場所までの距離を示す。飛行時間に合わせてお尻をふる。さらに角度をつけてダンスをすることで、そのお花畑の方向までも教えている。太陽との角度を記憶して、その角度が40度ならそのとおりにダンスをする。
距離と方角がわかれば、誰だってそこに到達できる。そうして蜜のありかを仲間に伝えている。この本が面白いのは、ミツバチの分蜂を取り上げたこと。ミツバチは定期的に、女王蜂を含めて1万匹の蜂が別の巣へ移動する。新しい女王蜂に巣を残すことで、それまでの女王蜂とそれにしたがう蜂が新天地を求める。
分蜂すると、人間の長い顎髭のように1万匹の蜂がひとつの生き物のように垂れ下がる。そこから3〜4日かけて新天地を探す。その過程があまりに素晴らしくて、ボクはマジで感動してしまった。
女王蜂はまったく何もしない。命令を下すこともない。老齢の採餌蜂が、新しい巣の探索をかって出る。そこには明確な基準があって、ほんのわずかな蜂たちが1万匹の運命を背負って新しい場所を探す。
最初はいくつも意見が出る。多くの選択肢を集めるのは大切だろう。でないとベストな場所を選ぶことができない。だけど最終的には、それらの意見がたったひとつにまとまる。そして民主的な方法によって行き先が決まると、一斉に新天地へ向けて飛び立つ。見事としか言いようがない。
この本では一匹の蜂を、人間の脳細胞に例えている。実際に研究を進めると、類人猿の脳とほとんど同じ動きをミツバチは持っている。つまり蜂の一匹は脳細胞のひとつに該当して、一万匹の蜂は人間の脳に等しいということ。
例えば外気温がどうであろうと、蜂の巣の中心は常に35度に保たれている。人間の体温調節機能に等しい。寒いときは蜂の羽を振動させて熱を発生させる。巣の外側にいる蜂も、機能が停止しない15度前後を保つ。暑い時期は隙間を開けて放熱させる。すべての蜂が一致団結して、巣の中心を35度で維持しようとする。まさに人間の細胞がやっていることと同じ。
おそらく集合意識によって、蜂たちの社会は成り立っているのだろう。まさにワンネスというものを体現しているとしか思えない。
そんな蜂の神秘的な能力が気になる人は、ぜひこの本を読んでほしい。少し専門的なことも書かれているけれど、じっくり読めば理解できる。特に会社組織の人間関係で悩んでいる人にはオススメかもしれない。意思決定が必要となるとき、どうすれば民主的に進めることができるかを学べるはず。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする