父と息子の愛と確執
いや〜、さすがに今日の平昌五輪は必死で見てしまった。だってフィギュアスケートの男子シングルだからね。
すでにツイート等で絶賛の嵐だから今さらここで書く気はないけれど、とにかく素晴らしかった。羽生選手の完璧な演技に感動させられ、その後のインタビューを聞いて、男のボクでも目がハートマークになってしまったw
そして宇野選手も良かったよね。フェルナンデス選手も好きなので、素晴らしい演技を見られてホッとした。気の毒なのはネイサン・チェン選手だよね。直前に羽生選手の完璧な演技を見せられ、初めてのオリンピックの雰囲気に飲まれてしまった感じ。
ボクは羽生選手や宇野選手をおびやかすのは、チェン選手だと思っていた。だから心のなかでほっとした部分と、好きな選手だけに残念な部分が入り混じっている。さてさて、明日のフリーはどうなるのか? 土曜日なので、明日のお昼前後はテレビにかじりついている人が大勢いるだろうね。ボクもその一人なのはまちがいない。
さて、なかなかいい味を出している映画を観た。ストーリー自体は微妙なんだけれど、物語の設定と俳優さんの演技が最高だった。
『ジャッジ 裁かれる判事』という2014年のアメリカ映画。父と息子の、愛と確執を描いた作品。この写真にあるように、父親はロバート・デュヴァル、息子はロバート・ダウニー・Jrという、二人のロバートが演じている。
ボクは『ゴッド・ファーザー』を観た子供のころから、このロバート・デュヴァルという俳優さんが大好き。数えきれないほど多くの映画に出演されていて、この作品でもアカデミー助演男優賞にノミネートされている。
息子のヘンリーはシカゴで活躍する、めちゃめちゃ有能な弁護士。そして父親のジョセフはインディアナ州の判事。ヘンリーは3人の男兄弟の次男で、父親とは若いころからケンカばかり。弁護士になってからは、実家に寄り付かなくなっていた。
ところが母が急死する。そこで葬儀に訪れたヘンリーは、久しぶりに父親のジョセフと会う。葬儀の夜、買い物に出かけたジョセフが交通事故を起こす。ひき逃げ死体で見つかったのはマークという中年の男。
そのマークはサイコパスのような人間。若いころに銃で彼女を脅して、殺しそうになった。裁判の時ジョセフは、そんな乱暴者のマークを、自分の次男であるヘンリーと重ねて見る。そしてつい、温情的な量刑を言い渡してしまう。
ところがそのマークは出所後、その恋人を見つけ出して殺してしまう。ジョセフは自分の温情を悔やんでいた。悪党を世に放ってしまったから。そのマークが出所直後に殺されている。ジョセフの車にはマークの血痕が残っていた。当然、殺人容疑でジョセフは逮捕される。
そんな父のため、息子のヘンリーが弁護人となる。二人は言い争いを続けながらも、無罪を主張して裁判に臨む。だがジョセフには全く記憶がない。実は末期ガンを患っていて、化学療法によって記憶障害を起こしていた。だからもしかすると、故意に轢き殺したかもしれないという疑惑が出てくる。
果たして、ヘンリーは父親の無罪を証明できるのか?
ストーリー的にはツッコミたいところがいくつかある。だけど二人のロバートの演技が素晴らしくて、そんなもの吹き飛んでしまった。どちらも頑固で、意地っ張りで、とても優しい。そんな父と息子を描いた、心温まる物語になっている。一見の価値がある、素敵な映画だと思う。
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