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高羽そらさんインタビュー

不死の母を持った子供たち

今日はホワイトデーということで、真っ白な花を撮影した。

 

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一昨日、この木蓮の木の前を通ったときは、まだつぼみだった。でもこの2日で気温が上がったので、一気に花を開いた。

 

春だよねぇ。今日はダウンではなくジャケットで出たけれど、それでも暑かった。今日の気温なら上着は必要なかったかも。

 

そんな春らしいホワイトデーに、妻のリクエストで我が家イチオシの洋菓子屋さんへ行った。真っ白なクリームがたっぷりと入った、ロールケーキを買ってきた。あまりに美味しそうで必死で食べたから、影も形もなくなってから写真を撮っていないことに気がついた。いや〜、マジで美味しかった。

 

さて話はころっと変わるけれど、Hele(ヒーラ)細胞というのを聞いたことがあるだろうか? この細胞に関する映画を観た。

 

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『不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生』という2017年のアメリカ映画。実話を元にした原作が映画化された作品。

 

ヒーラ細胞という名前は、ヘンリエッタ・ラックスというアメリカ黒人女性の名前から取られている。ヘンリエッタは1951年、30代にガンで亡くなっている。子宮頸癌で、当時の医者がその細胞を研究のために採取した。

 

驚いたことに、ヘンリエッタの細胞は不死だった。人間の細胞は、培養しようと思っても数週間が限界。何人もの科学者が挑戦したけれど、ことごとく失敗していた。

 

ところがヘンリエッタのがん細胞は死なない。細胞分裂を続けることができて、いつまでも培養によって保存することができた。そしてその細胞によって、医学の研究が急速に進歩した。主なところではポリオワクチンを作ることに貢献していて、ヘンリエッタの細胞によって何万人という人の命が救われている。

 

この映画は、そのヘンリエッタのことを本にしようと思ったレベッカというジャーナリストと、ヘンリエッタの五人の子供のひとりでであるデボラという女性の物語。写真のとおり、レベッカをローズ・バーン、そしてデボラをオプラ・ウインフリーが演じている。

 

ボクはこの細胞のことも知らなかったし、ヘンリエッタという黒人女性も知らない。当時は研究対象として組織を採取する場合、家族に対して補償等をする必要がなかったらしい。だから個人名が特定できないよう、ヒーラ細胞と名付けられていた。

 

医学会では有名な細胞だったけれど、家族たちは20年間もその事実を知らされていなかった。ヘンリエッタの夫も、子供たちもまったく知らない。やがて名前が知れることで、家族たちに取材が殺到した。

 

ところが黒人差別が普通だった時代。ヘンリエッタは病院でかなり不当な扱いを受けていた。その事実を知った娘のデボラは、精神を病んでしまう。ヘンリエッタに関する事実を世間に公表するために、レベッカがデボラを通じて衝撃の事実を明らかにしていくというストーリー。

 

ラスト近くで、デボラと彼女の弟が、母の細胞を見に行くシーンがある。2歳ころに母を亡くしたデボラ。そして弟はまだ赤ちゃんだった。だから二人とも母の記憶がほとんどない。だけど母は生きていた。不死の細胞となって存在している。

 

その細胞の映像に囲まれて、母を感じている二人のシーンが切なく、そして美しかった。今でも強く心に残っている。

 

この映画は細胞を提供した女性とその家族に焦点を当てるだけでなく、人種差別問題についても言及している。とても奥の深い、素晴らしい作品だった。ちなみにヘンリエッタの細胞によって病院は大儲けしたけれど、今だに家族に対して補償等はされていないらしい。

 

デボラは本の完成を見ることなく亡くなってしまう。母の真実が書かれた本を、読みたかっただろうなぁ。

 

この本は、実在のレベッカによって本当に出版されている。早速図書館で予約したので、読んでみようと思う。

 

decoration/dcr_emoji_238.gif『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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