自立と依存のせめぎ合い
今日のブログサイトは、スムーズに使えるのでひと安心。普通であることにホッとするのは、本当は普通じゃないんだけれどねw
いよいよ神戸の桜も、つぼみがパンパンにふくらんできた。明日からは暖かくなるので、2〜3日中には開花宣言が出るだろう。ということは、来週から再来週にかけて満開の桜が楽しめるということ。いよいよ、忙しくなるぞ〜!
新作の小説は少しペースが遅れ気味だけれど、それはいつもと作り方を変えているから。これから追い上げていくので、5月までは忙しい日々が続きそう。
今年の桜は、今年しか見られない。だから目一杯お花見に出かける予定。来年の4月も『絶対』に生きていると言えないからね。楽しいことをあと回しにすることはない。毎日満足を感じて過ごし、夜はクタクタになって眠りこけたい。
さて、これでこそアカデミー女優という、とんでもなく素晴らしい演技を堪能できる映画がある。
『ブルージャスミン』という2013年のアメリカ映画。コメディ映画とうたわれているけれど、それはこの映画の表面しか観ていないからだと思う。脚本を書いて監督を務めたウディ・アレンは、コメディ映画として認識してないのでは? そう思うような素晴らしい作品だった。
そのすごい女優とは、この写真のケイト・ブランシェット。数々の映画賞を受賞しているケイトだけれど、この映画でもアカデミー主演女優賞を受賞している。この作品を観たら、その栄冠は文句なしだと誰もが思うはず。
ボクが最も印象に残っているケイトは、『ロード・オブ・ザ・リング』のガラドリエル役。あのエルフの女王の役は、ケイト以外に考えれられないものね。
主人公のジャスミンは里子で育ったけれど、美貌と頭の良さを持った女性。起業して大成功をしている富豪のハルのハートを射止め、ニューヨークでセレブ生活を送っていた。夫のハルをアレック・ボールドウィンが演じている。
ところがハルは詐欺容疑で逮捕される。かなりヤバい商売をやっていた。そしてそれを苦にして自殺してしまう。ジャスミンは経済にうとく、夫の言うままにどんな書類でもサインをしていた。だから連帯責任で全財産を失う。
失意のままジャスミンがやってきたのは、サンフランシスコ。同じ里親の元で育った妹のジンジャーの部屋で居候をする。だが一文無しなのに、セレブ時代の習慣が抜けない。さらにショックで精神を病んでいるので、おかしなことばかり口走る。完全なメンヘラ状態。そのときの彼女の様子がこんな雰囲気。
同じ女優さんだとは思えないよね。最初の写真はセレブのとき。だからそのギャップがすごい。二人のジャスミンを見事に演じ分けているケイトの演技には、感嘆の言葉しか出てこない。
妹のジンジャーは、とんでもない男ばかりと交際する名人。そういう意味では、姉妹は正反対の生き方をしてきた。だけど二人は本質的に同じものを持っている。
自立しようという意思はあるけれど、結局は男に依存しようとする。妹はろくでもない男にばかり手を出し、姉はセレブの男に取り入ろうとする。結局は誰かに依存することなしには生きていけない。
そんなジャスミンは、ついにセレブと結婚の約束をするまでになる。相手は国務省のエリートで、ヨーロッパに赴任したあと、政界進出を狙っている。ジャスミンは自分の過去を偽り、嘘で塗り固めてその男と交際する。
その結末がどうなるかは、想像できるよね。ボクはコメディとして笑い飛ばせなかった。ジャスミンの心を思うと、胸が痛くなる。心を病みながらも、必死になって幸せをつかもうとしている。その痛々しいまでの姿を、笑いを交えて見ることはできなかった。とても素晴らしい映画だったなぁ。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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