子供時代のトラウマ解消!
苦手を克服する、というのは人生につきもの。映画に関して、過去に苦手な作品があった。
その代表が『2001年宇宙の旅』という誰もが知っている名作。20代のころから何度もトライしたけれど、最後まで観られない。その理由は眠ってしまうから。
どうしても中盤の宇宙船内のシーンになると、眠気に勝てなくなる。睡眠薬代わりになるほど。最終的に通して観たのは40代だったと思う。そしてようやくこの映画の良さがわかった。
同じ理由で苦手だったのが『サウンド・オブ・ミュージック』という映画。これまた前半の『ドレミの歌』あたりで眠ってしまうwww
そのラインを超えられない。だけど50代になってようやく魔のラインを通過することができた。するともうビックリ! こんな面白い映画だと思わなかった。中盤からラストにかけて、ハラハラドキドキが止まらない。なぜこの映画を退屈だと思ったのか、今のボクには想像できない。
そして最高に苦手な映画がある。その映画は寝てしまうのではなく、トラウマが理由で観ることができなかった作品。その映画を、ようやく観ることができた。
『ウエスト・サイド物語』という1961年にアメリカミュージカル映画。
ボクが初めてこの映画を観たのは、小学生の低学年のころだった。最初に公開されたのはボクが生まれる前だから、きっとリバイバル上映されていたのだろう。父親に連れられて映画館で観た。小学生の低学年に観せるような映画じゃないと思うけれど。
普通のミュージカル映画なら問題ない。だけどこの映画は、ギャング同士の格闘シーンがある。この映画のキモとなる部分だけれど、ナイフで刺し合うシーンがある。これがマズかった。小学生のボクにしたら、あまりに衝撃だった。
ミュージカルなので、演技がデフォルメされている。音楽も効果的。だからナイフで刺されるシーンが、恐怖とともに心に焼き付いてしまった。結果として二人も死ぬんだからね。これが一種のトラウマのようになってしまった。
もっとエグい映画や暴力シーンがある作品を平気で観ているのに、どうしてもこの映画が観られない。血が吹き出るわけでも、苦しみ悶えるわけでもない。『羊たちの沈黙』のほうがよっぽどトラウマになるよね。
でもこればかりはどうしようもない。ミュージカル映画が大好きなボクにとって、これだけはタブーの作品だった。後半になってそのシーンが近づくと、観るのが嫌になってしまう。困ったもんだ。
だけどようやく、昨日は最後まで観ることができた。あはは、実際に観たらなんてことはない。どうしてこんなものを怖がったのか、自分のことながら不思議だった。まぁ、トラウマなんて、ほとんどはそんなものだろう。
ということで小学生で接した映画を、ようやく50代になって最後まで観ることができた。『ロミオとジュリエット」のギャングヴァージョンだったんだね。そういう意味ではストーリーが読めてしまったので、映画としてはマズマズだったかな。
だけどダンスはすごい。ミュージカル好きのボクとしては、かなり興奮した。音楽とマッチした演出が素晴らしいと思った。曲は有名なものばかりだし、ヒットするのが理解できる作品だった。ミュージカルとしては素晴らしいと思う。
それにしてもトニーとマリアは、どうよ。人を殺しておいて、「一緒に逃げよう」はないだろう。トニーがチノに銃殺されなかったら、そのまま警察の目を逃れてトンズラしたのだろうか?
トニーがベルナルドを刺したのは、正当防衛じゃないからね。友人が刺されて、明らかに復讐の意図があった。あのトミーのキャラなら自首するだそうし、マリアのキャラなら警察に行くよう勧めるだろう。そのあたりが理解不能だったなぁ。
まぁ、とりあえず子供時代のトラウマを解消できたので、良しとしよう!
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
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