1+1が3になるなんて!
今日の関東地方は涼しいらしい。ええなぁ。マジでうらやましい。
関西は先日までの酷暑ではないけれど、やっぱり暑い。神戸でも34度は超えると思う。ただ風がいい感じで吹いているので、比較的過ごしやすい。
今日は立秋なので、暦のうえでは秋になる。でもまだまだ秋は遠いよなぁ。せめて秋を感じようと思い、今日は夕食後のデザートに梨を買ってきた。街を歩いていると柿は青い実ができているし、萩の花が咲き出して、ススキも顔を見せている。ちょっと北に行くと、ツクツクボウシも鳴いている。
少しずつだけれど、秋が夏に混じり合っている。今日よりも明日、明日よりも明後日は、より秋に近づいている。そう思って暑い日々をやり過ごすしかないな。
さて話は急に変わるけれど、いわゆる多重人格という病気がある。映画や小説でよく使われる。代表的なのはジキル&ハイド氏だろう。
なかでも二重人格というのは象徴的な気がする。善と悪、光と闇というように二元化の世界を体現している。その二重人格を取り上げた、とてつもなく面白い小説を読んだ。
『ダーク・タワーII 運命の三人』下巻 スティーブン・キング著という小説。
全部で7巻まである『ダーク・タワー』シリーズを読破中。この作品で第2巻が完了した。文庫本にして15冊あるうち、これで3冊を読了したことになる。
この小説の内容を説明していると大変なので、気になる人は以下のボクのブログを参照して欲しい。
主人公のガンスリンガーは、暗黒の塔への旅の途中。そのためには3人の仲間を見つける必要がある。その3人は1970年代と1960年代のニューヨークにいる。ガンスリンガーがいるのはまったくの異世界。そこへ3人を連れてこないといけない。
前回でエディという若い男性を味方につけた。そしてこの下巻で登場するのが、オデッタという黒人女性。彼女は地下鉄のホームで突き落とされて両足を失っている。だけどオデッタは裕福な家庭のお嬢様で、何不自由なく暮らしている。
ところが彼女は二重人格者だった。デッタと名乗る黒人女性は、ガンスリンガーとエディでもかなわないほどの凶暴で凶悪な人物だった。どうにかしてオデッタを異世界に連れ込んだが、デッタが出てくると悲惨なことになる。なんども二人は殺されかけた。
でもここからがすごい。3人目を探しにニューヨークへ移行したガンスリンガーは、ジャックという男がターゲットだと知る。このジャックは殺人が趣味で、大勢の人間を密かに殺している。
そして幼い子供のころのオデッタにビルの上からレンガを落とし、多重人格にした張本人がこのジャックだった。さらに成人したオデッタを地下鉄のホームへ突き落としたのもジャックだった。運命がこの男を引き寄せたことになる。
オデッタとデッタの二人の人格は、このジャックの存在を認知することで、互いの人格を認める。それまで無視して無意識下に追いやっていたけれど、初めて別の人格として認識する。そして二人は最後の死闘を行うことになる。
二人が格闘した末に融合したことで、新しい人格が生まれた。それはスザンナという人格で、デッタの強さとオデッタの優しさを兼ね備えている。1+1が2ではなく、まったく新しい3人目の人格を生み出した。ボクはこの衝撃に驚いて茫然自失となったあと、じわじわとくる何かを受け取った。
このシーンを読むだけで、めちゃくちゃ感動する。引き裂かれた光と闇の人格が、融合することでアセンションする。その過程を目の当たりにして、感動で涙してしまった。
ガンスリンガーは3人の仲間を探していたけれど、この3人目がスザンナだった。彼はエディをスザンナを連れて、暗黒の塔へと向かう旅に出る。いよいよ次は第3巻になる。彼らの旅はどのような展開を迎えるのだろう。早く次の作品を読まなくては。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする