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高羽そらさんインタビュー

死体は嘘をつかない

昨日の深夜から明け方にかけて大雨だったけれど、今日の昼前には青空が広がってきた。秋雨前線は南に下がったらしく、初秋の乾燥した風が神戸の街を吹き抜けている。気持ちいいなぁ。

 

新作小説は2回目の推敲が明日には終えられそう。その次はプリントアウトしてチェックする予定。残り時間が1週間あまりなので、気合いを入れて集中している。とりあえず朝晩が涼しくなったので、この勢いで月末まで突っ走りたいと思っている。

 

さて、めちゃめちゃ衝撃的で、興味深い本を読んだ。推理小説や、海外ドラマの『CSI』シリーズが好きな人には超オススメ。ただしフィクションではなく事実なので、読むにはちょっとした覚悟がいるけれどね。かなり怖いよ。

 

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『死体は嘘をつかない 全米トップ検死医が語る死と真実』ヴィンセント・デイ・マイオ 著という本。

 

著者であるヴィンセントの父も検死医で、親子二代にわたってこの仕事に就いている。この世界ではかなり有名な人らしい。すでに定年で検死医は引退して、今はコンサルタントを務めているが、銃槍に関しては現在でも右に出る人がいないそう。

 

日本では今年に出たばかりの本なので、ネタバレはしない。素人向けに書かれているので、誰でも読むことができる。ノンフィクションとしても、かなり良質な作品だと思う。

 

とにかく恐ろしい事件ばかり。そのひとつひとつが映画になっても不思議じゃないほど。自分の子供を含めて、両手で足りないほどの子供を殺した女性の話なんか、読んでいて鳥肌が立った。見た目は普通の主婦で、子供達を愛しているようにしか見えない。

 

ところが乳幼児の口と鼻を抑えて、窒息死寸前まで追い込む。なのに、まるで自分が子供の危険を発見したような顔で救急車を呼ぶ。運良く子供の命が助かると、その子供の親からお礼を言われてたりしている。

 

あるいは40人以上の子供に筋弛緩剤を打って殺した女性看護師も登場する。そうした事件の検死に、この著者は関わってきた。有名なところでは、ケネディ大統領を暗殺した実行犯とされる、オズワルドの遺体を掘り起こして検死した経験も書かれている。

 

興味深かったのは、画家のゴッホの死因を検証した仕事。遺体は白骨化しているだろうから掘り起こしていないけれど、当時の医学的調査の記録が残されていた。ゴッホは自殺したとされているが、著者は正式に依頼を受けてそれを否定している。

 

なぜそう言い切れるのか気になる人は、ぜひこの本を読んで欲しい。今のボクは、ゴッホは殺されたことを信じるしかない。

 

この本で著者が一貫して訴えているのは、検死医は加害者、被害者、弁護士、検察という人たちの、誰の味方でもないということ。人間の死の理由と原因を、科学的に導き出すことだけが仕事だということ。

 

だから真実を導き出しても、それが裁判で歪められる経験を何度もされている。アメリカでは人種差別が根強く、黒人が白人を殺した、白人が黒人を銃殺したという事件が起きると、誰も真実を見ようとしないらしい。勝手に犯人探しが始まり、その感情に流されてしまう。

 

だからこそ科学的な真実が必要となる。それでもその努力が報われない事例も、この本では紹介されている。明らかに無実だと思われる事実が導かれているのに、罪人として刑務所に囚われている人もいる。

 

人間の死について真剣に考える人は、この本を一度読むべきだと思う。読む人によって受け取るものはちがうだろう。だけど死というものに対して、その人なりの新しい洞察を得ることになるはず。大勢の人に読んで欲しいと思う良書だった。

 

decoration/dcr_emoji_238.gif『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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