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高羽そらさんインタビュー

JR六甲道駅の奇跡

今日は1月17日。神戸に住んでいるボクにとって、様々なことを感じる日。あの阪神・淡路大震災から24年が経った。

 

といっても当時のボクは京都にいた。それでも部屋の食器が飛び出すほど揺れ、周囲はしばらく停電していた。そしてようやく電気が戻ったとき、神戸の惨状をテレビで見て呆然としていた記憶がある。

 

現在ボクが住んでいるマンションは、この地震で大きな被害を受けた。震災によって完全に建て替えられたマンションで、当時の地権者の人も住んでおられる。今ではそんなことがあったなんて信じられない。毎朝、朝食を取りながらJR神戸線を走る列車をながめている。

 

そのボクがすむJRの最寄駅である六甲道駅で、24年前に奇跡のような出来事が起きている。だけどそれは奇跡に見えるだけであって、大勢の人の努力によってなしとげられたものだった。その奇跡をお見せしよう。

 

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これが震災直後のJR六甲道駅。高架の線路と駅がペシャンコになって押しつぶされてしまった。駅舎は完全に崩れて線路は飴細工のようにグニャグニャに曲がってしまった。どれだけ大急ぎで復旧工事を行なっても、最低で2年はかかるという見積りだった。

 

だがこの神戸線は大阪と神戸三ノ宮をつなぐ大動脈。その大動脈に血が流れないということは、その周辺の街の『死』を意味する。2年もかかれば、六甲の街は本当に死んでいただろう。

 

ところが奇跡のようなことが起きた。なんと74日でその工事をやり遂げた人たちがいる。そして六甲道駅は今ではこんな姿になっている。

 

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これがボクの知っている六甲道駅。2日に1度はここを歩いている。

 

いったいどんな奇跡が起きたのか? その過程が素晴らしいドラマになった。

 

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『BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸』というドラマ。15日の夜に放送されたけれど、録画しておいて今日17日の午後に観た。

 

実際に工事をしたのは奥村組さん。ドラマでは名前が変えられていたけれど、おそらく膨大な取材によってこのドラマは製作されたと思われる。妻と二人で見たけれど、何度も涙を流すので途中で録画を止めなければいけないほど感動した。

 

わずか10年しか暮らしていないけれど、六甲道はボクの街だと思っている。だからこの街に対する愛着は人並み以上にある。妻もそうだろう。

 

そんな大好きな街の過去の実写映像がいくつも流れた。周囲の建物は知っているのに、その下にあるのは瓦礫の山。言葉にならないほど胸が苦しかった。

 

この工事はジャッキアップという特殊な方法が採用された。倒れた橋脚をジャッキで持ち上げて元の状態に戻そうとする工法。だけど口で言うほど簡単じゃない。まずは最初にこの駅を作った人たちの工事が完璧だったからできたこと。でないと持ち上げることなんてできない。

 

その条件が満たされても、実際の工事は危険が伴う。余震も続いていたから、まさに命をかけた大工事だった。完成して4月1日に列車が走った映像を見たとき、マジで号泣してしまった。

 

ドラマとしても素晴らしい。脚本を書かれたのは一色伸幸さん。ボクが尊敬している有名な脚本家で、さすがだなぁと感心した。単なる工事の経過じゃなく、見事な人間ドラマになっている。

 

主演の井浦新さんと、物語の語り手である椎名桔平さんの演技に拍手を送りたい。こんな素敵なドラマを観たのは久しぶりかも。ネットではまだ観られるそうなので、ぜひ観て欲しいと思う。震災を経験した人の想いと、次世代に対する風化問題が、違和感なく一つのドラマとして編み込まれている。

 

明日、JR六甲道駅を歩くとき、今までとちがう気持ちでこの駅を見つめることになると思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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