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高羽そらさんインタビュー

信長の原理は<2:6:2>

毎年楽しみにしている大河ドラマなんだけれど、かなり久しぶりに今年は挫折した。申しわけないけれど、どれだけトライしても『いだてん』は無理だった。

 

視聴率は最低記録を更新しつつあるようなので、ボクの感覚は一般的なのかもしれないね。

 

だけど来年はメチャ楽しみにしている。だって主役は明智光秀だからね! もういまからワクワクして待ち遠しい。ボクは戦国時代おたくで、好きな戦国武将のトップ5に入るのが明智光秀。だから楽しみで仕方ないんだけれど、彼はトップ1じゃない。

 

大好きな戦国武将のトップ1について、迷うことなく答えることができる。それは織田信長!

 

虐殺という意味では、これほど恐ろしい武将はいない。まるで悪魔の化身のような人物。それはわかっていても、ボクはやっぱり彼が大好き。これほど魅力的な人物はいない。もしタイムマシンがあるならば、本当の信長を観察してみたい。怖いので、直接に会いたくないけれどwww

 

そんな信長に関する小説は数多く出ているが、もしかしたらこの作品は最高じゃないかな、と思える物語を読んだ。

 

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『信長の原理』垣根涼介 著という本。

 

実在の人物を扱った歴史小説は、基本的なストーリーは固定されている。だから著者がその人物をどう捉えているかが、時代小説の面白さになってくる。ボクはこの本の著者の視点がとても気に入った。

 

タイトルにあるように、この本は信長という武将を動かしている原理がテーマ。それが2:6:2という数字で表すことができる。信長は孤独な少年だった。そんな彼は一人で過ごすことが多く、ある日、アリの動きに注目した。そしてそこから興味深い法則を発見した。

 

アリ全体を眺めていると、2割のアリしか真剣に働いていない。6割のアリは様子見で動き、残る2割はまったく働こうとしない。これはアリの巣を変えても、同じ動きを見せた。

 

やがて青年になった信長が、家来たちも同じ動きをすることを悟る。2割の兵士は命をかけて戦っているけれど、6割の兵士は負けそうだと逃げるし、勝てそうになったら戦おうとする。だけど2割の兵士はまったく役に立たないか裏切る。

 

この事実を確かめたい信長は、まだ若い秀吉に依頼して実験をする。この法則で懸命に働く2割のアリだけを集めて行動させると、同じく2:6:2になってしまう。そしてまったく働かなかった2割のアリだけを集めてみると、これまた2:6:2に分かれてしまう。

 

つまりどれだけ働く武将を集めても、ある程度の数がそろったら2:6:2になってしまうことに気づく。信長が天下を治めていったのは、この法則を理解して常に働く2割をうまく使ってきたから。なぜこうなるのかは信長もわからない。ただ宇宙の法則としか思えなかった。

 

そして本能寺の変を迎える。2:6:2は1:3:1と置き換えることができる。当時の信長には5人の重臣がいた。

 

羽柴秀吉、明智光秀、柴田勝家、滝川一益、丹羽長秀。ただ実質的に丹羽長秀は遊軍なので、5人目に名前を連ねるのが徳川家康になる。

 

信長は1:3:1の法則に基づいて、一人が使い物にならないか、あるいは裏切ることになるのを確信した。目をつけたのは家康だった。

 

ところが最後の最後で、信長は見誤ってしまう。実は光秀だった。そして宇宙の法則に翻弄された光秀は、自分でも制御できずに謀反への道を突き進んでいく。このあたりの描写がとても切なく、ある意味恐ろしい。宇宙の法則に逆らうことのできない人間の弱さを思い知らされる。

 

この小説では書かれていないけれど、本能寺のあとに天下を取ったのは秀吉。なぜなら彼はアリの実験に携わったことで、2:6:2の法則を見ぬいていたからだろう。メチャ長い物語だけれど、ボクの知っている信長の小説ではイチオシの作品だった。

 

これでますます来年の大河ドラマが楽しみになってきたなぁ〜〜!

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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