自殺を誘発するドラマ
『13の理由』というドラマを知っているだろうか? Netflixで放送しているドラマで、シーズン3まで続いている人気ドラマらしい。
ボクはタイトルだけを知っている。それは先週、このドラマのサウンドトラックアルバムがリリースされたから。若手のミュージシャンが大勢参加していて、音楽アルバムとしてだけでも、ワクワクするラインナップになっている。
ボクのお目当てはファイブ・セカンズ・オブ・サマーの『Teeth』という曲。ロック好きのボクの魂をゆさぶってくれる楽曲で、一度聞いただけで大好きになった。ミュージックビデオも薄気味悪いので、どこどなく気に入っている。
この曲が聴きたくて『13の理由』というアルバムを知った。ところがこのドラマが、ちょっとした騒ぎになっているそう。
『13の理由』を見た数週間後、娘は自殺した。物議を醸した自殺シーンをNetflixは削除
ボクはドラマを見ていないので、内容についてはまったく知らない。この記事によると、どうやらメンタルヘルスを扱ったドラマらしい。シーズン1のラストで登場人物のひとりであるハンナが自殺する。そのシーンが自殺を美化しているように取られかねないと、精神医学の専門家から指摘されていたそう。
そして実際にその通りのことが起きてしまった。
双極性障害を患っていた19歳の女性がいた。母親は娘と一緒にこのドラマを見始めたとき、すぐにまずいと気がついたらしい。それで観ないようにと娘に頼んだ。だけど娘はやめなかった。
そして自ら命を絶った。その方法は、ドラマのハンナと同じだったらしい。
発見者である母親はこのことでPTSDを患い、専門家の指摘があったのに放送をやめなかったNetflixを訴えているそう。それが全米でも話題になり、シーズン3が始まるとき、過去の自殺のシーンがようやくカットされた。
これは本当に難しい問題。この娘さんの自殺は、ドラマだけが理由ではないだろう。だけど同じ方法を選んでいることから、影響がなかったとは言えない。むしろ自殺を美化するドラマによって、死への想いがあと押しされてしまったかもしれない。
その一方、このドラマを見ることで、同じ病気を抱えている人が勇気づけられたという事例もあるそう。メンタルに問題を抱えた登場人物の気持ちに共感することで、辛いのは自分だけじゃないと感じる人もいるのだろう。
これは線引きが難しい。観る人によって受け取り方がちがうのは当然で、それがドラマや映画の魅力でもある。だけど自殺した娘さんの母親にしたら、このドラマの存在自体が許せないんだろうなぁ。
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