既成概念なんてぶち壊せ!
この社会は、生きているだけで様々な制約を受ける。社会人として当然なんだけれど、ときには窮屈に感じて何もかもぶち壊したくなることもある。
だからと言って犯罪をするわけにはいかないし、そんな勇気もない。だから自分の代わりに既成概念をぶち壊してくれているアーティストに触れることで、その痛快さを共有することができる。
人気ラッパーのポスト・マローンがニューアルバムをリリースした。CDの発売は明日なんだけれど、ストリーミングは先行しているのですでに聴いた。
『Hollywoods’s Bleeding』というタイトル。前作の『Beerbongs & Bentleys』もいいアルバムだったけれど、ボクはこの新作のほうが好き。彼は声がいいので、メロディによく乗るんだよね。だからヒップホップだけじゃなく、ポップの要素も強い。
ドレイクのようにもろラッパーという雰囲気じゃなく、どんな曲でもこなしてしまうのがすごくいい。すでにラッパーという概念を超越しているように思う。だから好きなのかな。タトゥーだらけの顔とミスマッチ感があってワクワクするミュージシャンだと思う。
そういう意味では、マシン・ガン・ケリーもぶっ飛んでいるよね。だから彼も大好き。ラッパーというより、ボクは彼にロック魂を感じる。型にハマらないので、心地いい爽快感を覚えるミュージシャンだと思う。
そして今日観た映画も、完全に既成概念をぶち壊している映画だった。だって監督がクエンティン・タランティーノだからね。
『デス・プルーフ in グラインドハウス』(原題:Death Proof)という2007年のアメリカ映画。
二つの物語が展開する構成になっている。最初はテキサス州オースティンでの物語。
まったくわけのわからない状況から始まる。3人の女性が車で移動しながらひたすらガールズトークをしている。ドラマが起きるような気配もない。ところがチラチラと怪しい車に乗る男の影が見え隠れする。
その男はスタントマンをしているマイクという男。顔に傷のある怪しげなマイクをカート・ラッセルが演じている。マイクは精神的に壊れていて、普通に見せつつ獲物を探している。言葉たくみに女性を誘い出して、ぶっ殺すことを楽しんでいる。
結局、最初の物語ではガールズトークをしていた女性たちが、めちゃくちゃな状況で殺される。このあたりのエグさは、さすがタランティーノだよね。怖いけれど笑ってしまう。
そして二つ目の物語に登場するのが写真の女性たち。女優とスタントウーマンの集団。場所はテネシー州のレバノン。
ここでも変質者のマイクがこのメンバーをマークしていた。そしてチャンスを見て、殺そうとする。あぁ、やっぱり彼女たちも殺されるのかと思ってしまう。だけどまったくちがう展開になってくる。
九死に一生を得た女性たちは、逆にマイクを追いかける。ここからがめちゃめちゃ面白い。最初の物語とちがって、圧倒的に女性が強い。その逆襲の気持ちいいこと。カート・ラッセルの演技もうまいんだろうけれど、みじめに追い詰められていく様子に拍手を送りたくなる。
そしてラストシーンでは、女性たちに半殺しの目にあう。ボコボコに殴られて、最後の最後にトレイシー・トムズという『プラダを着た悪魔』でアン・ハサウェイの親友役をしていた女優さんが、カート・ラッセルの顔を踏みつけるシーンで終わる。
もうひたすら興奮してスッキリする映画だった。映画のセオリーなんて、この監督には関係ないんだろうね。もやもやがたまってイライラしている人は、この映画はかなりオススメ。ストレスがぶっ飛ぶのを保証するよ〜!
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