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高羽そらさんインタビュー

娯楽性を追求しない面白さ

近年の映画に求められるのは、スピード感の良さと娯楽性の高さだと思う。特にアクション映画に関しては、それらは絶対的に必要な要素だろう。

 

展開が遅くてモタモタしていたり、驚くような出来事のないアクション映画は見向きされない。だから『ミッション・インポッシブル』なんかはテンポよく物語が展開して、あっと驚く設定が仕掛けられていたりする。

 

ところがその正反対をいくようなアクション映画を観た。ボクが10代や20代のころに観た作品で、めちゃ面白いという印象を持っていた。だけどずっと観ていないので、詳細なストーリーを忘れてしまった。それで久しぶりに観たけれど、まさに『ミッション・インポッシブル』の対極にある作品だった。

 

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『フレンチ・コネクション』という1971年のアメリカ映画。ジーン・ハックマンがアカデミー主演男優賞を受賞した作品で、まだ若い彼の姿を見ることができる。特に後半のカーアクションには定評がある。

 

久しぶりに見直して思ったのは、良くも悪くも1970年代だなぁという感想。展開は遅いし、驚くようなどんでん返しがあるわけでもない。それどころかジーン・ハックマンが演じるドイル刑事は、ラスト近くで敵とまちがって味方を撃ち殺してしまう。

 

それでも麻薬組織の陰謀を暴き、どうにか事件は解決する。だけど現在のアクション映画とは、どこか異質なものを感じた。といって、ボクはこの映画を面白くないと思ったわけじゃない。20代のころに観たときと同じように、この映画が面白いと感じたし、とても好感を持った。

 

でもなぜだろう? アクション映画のセオリーから外れているのに、なぜ面白いと思うのか?

 

少し調べてその理由がわかったような気がする。この作品は実話に基づいた作品。同じような麻薬密輸事件が実際に起きていた。そしてその当時の犯人がアドバイザーとなってこの映画に関わっている。

 

なんと手口を教えるだけでなく、犯行に関わった二人はカメオ出演までしていたらしい。ボクはわからなかったけれどね。

 

つまりこの映画はあえて娯楽性を追求していない。事実に基づいて、刑事たちが根気と苦労を重ねた末に、ようやく犯人へとたどりつく過程が描かれている。だから容疑者を尾行するシーンなんか、地味だけどリアリティが高い。数人の警察官が交代して尾行を続けているシーンが印象的だった。

 

張り込みのシーンなんかも、刑事の辛さがモロに伝わってきた。寒さや空腹に耐えながら、ひたすら容疑者の動きを待つ。作り込んだドラマとちがい、実際の警察の捜査がどれほど地味で大変なものかが伝わってくる作品だった。

 

ボクが面白いと感じたのは、あえて娯楽性を追求しないリアリティの高さなんだと思う。ジーン・ハックマンはそれを見事に演じきり、かつ娯楽作品としての質も保っていた。だから俳優として評価されたんだと思う。

 

娯楽作品であるのに、あえて娯楽性を追求しない面白さというものがあるんだね。久しぶりに観て、いろいろと学ぶことの多い作品だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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