悲しみは120時間続く
昨日、ちょっとうれしいことがあった。そんな喜びの感情はまだ残っていて、なんとなくウキウキした気分でいる。
だけどその感情は少しずつ薄れ、やがて何事もなかったような状態に戻る。まぁ、せいぜい24時間くらいだろう。
そんなボクの感覚は当たらずとも遠からずらしく、ある心理学の実験の数値と合致する。喜びの感情の持続時間は35時間ほどで、満足という感情は24時間程度とのこと。だから2日もすれば普通に戻るということだろう。
だけどもっと長時間継続する感情がある。それは『悲しみ』。
ベルギーのルーヴェン大学で行われた研究。学生を対象として、あらゆる感情の持続時間を調査したもの。その結果、もっとも持続時間が長いのが悲しみだった。悲しみという感情は、恥、驚き、苛立ち、退屈など、他の感情よりも240倍も長く続くらしい。リンク先の記事にアップされている一覧表をコピーさせてもらった。
なかなか面白いよね。悲しみの次に長いのが憎しみ。やはりネガティブな感情は引きづりやすいのかもしれない。
ポジティブな感情は喜びの35時間が最長。意外だったのはストレスは3時間ほどだし、恐怖なんて1時間も継続していない。これらに比べると悲しみが癒されるのは相当に時間がかかるということ。
ただこの結果をそのまま鵜呑みにはできない。なぜなら人間はかなり複雑な生き物だから。個々の感情を個別に経験することはなく、いくつもを同時に経験しているはず。だからそれらの感情が相殺して中和することもあれば、化学反応を起こしてさらに激しくなることもあるだろう。
さらに実験と大きくちがうのは、ネガティブな感情を喚起した原因。人生で起きる悲しみや絶望の要因は、そう簡単に消えてくれない。もしピンポイントの悲しみが120時間で消えるとしても、その原因が存在する限り次の悲しみがやってくる。
あるいは記憶によって感情が想起されることもある。トラウマのような出来事を思い出すことで、再びそのときの感情が復活してしまう。いまはその原因が存在しないのに、記憶によって感情が乱されることが起きる。もちろんこれはネガティブなことだけでなく、ポジティブな感情でも起きるだろう。
でも感情が一過性のものであることを自覚しておくのは大切かもしれないね。そうすることで『いま』を自覚することができ、過去の後悔や未来の不安で感情を乱されることが減少してくると思う。いま起きていることだけに集中していれば、この実験結果のように、良いことも悪いこともただ通り過ぎていくことを実感できるんだろう。
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