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高羽そらさんインタビュー

貧者の怒りが強すぎて笑えない

社会における格差は、いまや世界的な問題となっている。それゆえ昨年のアカデミー賞では、格差問題を正面から取り上げた作品が選ばれた。作品賞、監督賞、脚本賞、そして国際長編映画賞の4部門を独占したのは、なんと韓国映画だった。

 

ここのところ韓国の進出は映画だけじゃない。音楽シーンでもBTSやBlackpink等のKポップがビルボードの上位にランキングされている。音楽は聴いているけれど、まだ映画は観ていない。ということで先日地上波で放送されたこの話題作をようやく観ることができた。

 

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2021年 映画#9

『パラサイト 半地下の家族』という2019年の韓国映画。韓国の格差社会を描いた作品で、ジャンル的にはブラックコメディになるかと思う。ボクも映画の前半から中盤にかけては笑っていたけれど、後半はとてもじゃないけど笑えない。なぜなら貧者の怒りが全面に現れてくるから

 

主人公のキム一家は半地下に暮らす4人家族。まともな仕事に就けず、家族で宅配ピザの箱を折る内職でしのいでいる。長男のギウは大学進学できず、長女のギジョンも予備校へ行けない。

 

そんなとき、ギウの友人が仕事を紹介してくれた。友人は留学するので、ギウに家庭教師の仕事を変わってほしいというもの。高校生の娘と小学生の弟がいる大豪邸に住む家族。ギウは喜んで家庭教師の仕事を引き受ける。

 

笑えるのはここから。大金持ちのパク一家は、かなりのお人好し。それゆえギウの機転で長男の美術教師に妹のギジョンを採用させ、パク家の運転手を追い出して父親をドライバーにして、家政婦を追い出して母親を採用させた。もちろん4人は他人のフリをしてこの家にパラサイトしている。

 

このままこの家を乗っ取るか、笑えるようなどんでん返しが仕込んであるならいい。ところが後半になって一気に映画のムードが変化する。その象徴とされているのが『臭い』だった。

 

なりすましのキム一家を疑うことのないパク家の人たち。だけど彼らと接するときに不快な『臭い』を感じるようになる。それは貧者の臭いであり、半地下に暮らす人間に染み付いた刻印だった。やがてその格差が怒りとなって表面化していく。

 

これから観る人もいるだろうから、ネタバレはここまで、この豪邸の地下に『秘密』が存在している。それが物語を闇の世界へと誘う。もしコメディだと思って子供と一緒にこの映画を観るつもりの人は後半に要注意。ちょっと小学生は無理かも。

 

ボク個人の感想としては、なぜこの映画がアカデミー賞を受賞して絶賛されるのか疑問。貧者の怒り、妬み、恨みに満ちていて、エグさと不潔感に支配されてどうにも落ち着かない。前半が笑えるだけに、そのギャップに引いてしまう。

 

せめてキム一家に共感できたらいいんだけれど、彼らは詐欺で金儲けすることしか頭にない。反対に金持ちのパク一家が素直な人たちなので、気の毒で仕方なかった。久しぶりに後味の悪い映画だったなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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