襲いかかる時間の裂け目
今週になって急激に冷えたので、今日の外出からダウンジャケットを着用。神戸の紅葉は場所によっては見ごろを迎えている。ボクが暮らす六甲山近くは来週あたりがベストかな? 今日の六甲山はこんな感じ。
自宅玄関から六甲山系の摩耶山、そして神戸大学方面を見た風景。もう少し色づくと、自宅から美しい紅葉を堪能できる。もっと綺麗な風景になったら、また写真を撮ってみよう。
さて、とても美しい青空だけれど、もしこんな空が突然口を開いて、虚無の世界が襲いかかってきたとしたら。そんな恐怖を描いた小説を読んだ。
2021年 読書#117
『ランゴリアーズ』スティーブン・キング著という小説。この本のタイトルとなっている長編の『ランゴリアーズ』と、中編の『秘密の窓、秘密の庭』という2作品が収録されている。
『秘密の窓、秘密の庭』という作品は、ジョニー・デップ主演で映画化されている。一度観てすごいと思った映画で、久しぶりにもう一度観ようと思っている。だからこの小説と映画の感想は、そのときに書くことにしよう。
『ランゴリアーズ』という作品も映画化されている。これは是非とも映像で観たいと思う作品。でも探してみたけれど、いまのところはDVD でしか見つからないので断念している。とにかくぶっ飛ぶ展開が続く作品。
主人公はブライアンというアメリカン・プライド航空の機長。離婚したばかりの妻が火事で死んだと知り、仕事を終えて乗客としてボストンへ向かう旅客機に搭乗した。疲れていたの畿内サービスを全て断り、ぐっすりと眠り込んでしまった。
目が覚めると畿内は大騒ぎになっていた。乗客のほとんどが消滅している。腕時計やバッグ、金歯や心臓ペースメーカー等の体内にあった物は残っている。客室乗務員どころか、機長も副機長も操縦室から消滅していた。
消えずに残っていたのは、離陸してすぐに眠っていた人間だけ。それ以外の起きていた人はすべて消滅した。ブライアンはどうにか操縦室をこじ開けて、自動操縦になっていた航空機をコントロールする。近くの空港に臨時着陸しようとするが、管制塔とはまったく連絡が取れない。
それどころか地上を見れば街があるはずなのに、その灯りが見えない。どうにか着陸できる空港にたどり着くけれど、やはり無人だった。人間がごっそりと消えている。やがて様々な出来事があり、飛行中に時間の裂け目に落ちたことがわかった。
元の世界に戻るためには、もう一度同じ場所に戻って時間の裂け目を通過するしかない。だけどその世界を飲み込もうとする虚無が牙を剥いて襲いかかってくる。その虚無に取り込まれると一瞬で消滅してしまう。
残された人たちの人間関係が克明に描かれていて面白い。イギリスの工作員や、心に闇を抱えるビジネスマン、ミステリ作家という人物たちが次々とドラマを引き起こす。想定外のトラブルだけでなく殺人事件まで起きる。もちろん恋愛も。
どうにか生き残った人たちは、旅客機を同じ場所まで飛ばすことに成功する。だけど問題があった。そこを通過するときは、最初のように眠っていなければいけない。だけど短時間で効果のある睡眠薬はないし、目が覚めたときに操縦するパイロットも必要。
ところが全員を一瞬で眠らす奇策が登場する。それがどんな方法か知りたい人は、本を読んで確認してほしい。ボクはこんな方法があることを知らなかった。奇想天外な物語だけれど、さすがはスティーブン・キングという内容だった。
ちなみにもう一つの『秘密の窓、秘密の庭』もメチャ怖くて面白いからオススメ。映画を先に観たボクは、主人公はジョニー・デップの顔しか浮かばなかったけれどねwww
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