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高羽そらさんインタビュー

ランボー魂は伝わったけれど

ハリウッド映画はネタに困ると、古い人気作の続編に手を出すことが多い。だけど難しいのは、主要キャストが年齢を重ねていること。それゆえよほどストーリーを練らないと大コケしてしまう。

 

少し前では『ターミネーター』の続編が酷評されたし、『マトリックス』の新作もあまり評判が芳しくない。どちらもボクは未見なのでなんとも言えないけれど、おそらく時間の経過をうまく物語に組み込めなかったのではと感じている。

 

ボクが観た作品で納得できるとすれば、まずは『ブレードランナー』のハリソン・フォード。時間経過を彼の年齢に合わせてあるので、とても自然に見ることができた。同じくハリソン・フォードで言えば『スター・ウォーズ』の続編も合格点。キャリー・フィッシャーが3部作の途中で亡くなるということはあったけれど、うまく世代交代ができていたと思う。

 

もうひとつボクのお気に入りは『ロッキー』の続編となる『クリード』シリーズ。ロッキーことシルベスター・スタローンをコーチにすることで、クリードという新しいキャラに引き継ぐことができていた。あの続編の2作は、『ロッキー』シリーズを知らない人が観ても感動できるレベルに仕上がっていた。

 

ということでそのシルベスター・スタローンのもうひとつの当たり役である。ランボーの続編を観た。

 

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2022年 映画#15

『ランボー ラスト・ブラッド』(原題:Rambo: Last Blood)という2019年のアメリカ映画。この作品でシリーズ5作目となり、完結編ということになっているらしい。

 

ボクはこのシリーズの1作目の大ファン。ベトナム戦争のPTSDを抱えたランボーが、ある田舎町の警察に不当な扱いを受ける。彼の心の奥に隠した怒りに触れてしまった警察署は、ランボー1人によって壊滅してしまう。それほどひどいことをランボーにやったんだけれどね。

 

ところが2作目、3作目となると、どうも変な方向に行き出した。とりあえずボクは観たけれど、続編はいらんかったのではという感想だった。だからかなり年数が経って4作目が公開されたときはスルーした。

 

でも完結編ということになれば気になる。それで4作目を観ていないけれどトライした。驚いたのは、いきなりランボーがカウボーイになっていた。同年配の女性と、彼女の孫娘と暮らしている。最初はランボーが結婚したのかと思ったけれど、そうじゃなかった。

 

生まれ故郷に戻ったランボーは、友人の女性と一緒に暮らしていて、彼女の孫娘を本当の娘のように可愛がっているという設定。ランボーらしからぬ始まりに当惑した。その孫娘はガブリエラという名前で、大学進学も決まっていた。

 

ところがどうやら訳ありらしい。ガブリエラの父は彼女と母を捨ててメキシコへ。やがて母は他界したことで、ランボーが彼女を守っていた。そのままなら平穏な暮らしだったのに、彼女は父の居所を見つける。そしてランボーや祖母が止めるのも聞かず、こっそりとメキシコに行ってしまう。

 

ここから大変。ガブリエラの父を見つけ出した友人は、人身売買の手先だった。最終的にガブリエラはその一味に囚われ、麻薬漬けにされて売春を強要される。ランボーが助けに行ったけれど、アメリカへ連れて帰る途中、麻薬の過剰摂取でガブリエラは死んでしまう。

 

ということでここからがランボーの本領発揮。予測できるけれど、彼が一人でこの組織を皆殺しにしてしまう。そういう意味では、第1作のランボー魂が伝わってくる内容だった。映像はかなりエグいけれど、その設定には納得できた。

 

ただし全体に詰めが甘い。ツッコミどころが多すぎて、近年のアクション映画としては穴だらけのストーリーだった。例えばラストシーン。メキシコのギャングたちが大勢でランボーを殺しにやってくる。それを受けて、ランボーは『ホームアローン』のケビンのように、自宅や牧場のあちこちに仕掛けを作る。

 

それはいいとして、あれだけの銃火器を車に積んでメキシコからアメリカに入国できる? そのあたりの説明はないし、ランボーがメキシコで戦うシーンも微妙な設定が気になった。それなりに面白かったけれど、もうこれで続編はやめておいたほうがいいと思う。ランボーもすっかりおじいちゃんだからね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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