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高羽そらさんインタビュー

カルト宗教の洗脳は巧妙

ボクが宗教組織に興味を持ったのは、そして宗教組織に嫌悪感を覚えるようになったのは父方の祖母の影響だと思う。ボクが物心ついたころに祖母は祖父と離婚していて、ある宗教組織の熱心な信者となっていた。長男である叔父の家で同居していたけれど、ボクの母が家出をしたことでボクたちと一緒に暮らすようになった。

 

母親代わりということでの同居なんだけれど、実は他に理由があった。大人になってから知ったのは、宗教が原因で叔父夫婦とうまくいっていなかったということ。だからボクの母が家出したことで、祖母にすれば冷たい視線から解放されると思ったんだろう。

 

毎日仏壇に手を合わせて熱心にお経を読んでいる祖母に興味を持ち、お経を教えてもらったことがある。はっきりと覚えていないけれど、その宗教組織の総本部に連れて行かれた記憶もある。あの世とか死後世界に関する概念は、祖母から教わったことが多い。

 

だけど父が再婚したことで、やはり叔父夫婦と同じような状況になった。その宗教に関係して、祖母と両親に何度もトラブルがあったことを覚えている。祖母が入信したのは祖父と離婚した直後とのことで、気落ちしている女性に対する熱心な勧誘が行われたのだろう。その組織の典型的な勧誘パターンらしい。

 

そういう意味では、その宗教組織はカルト宗教と言っていい。人の弱みにつけ込むことで、じわじわと洗脳してしまう。そしてがんじがらめにすることで、組織から抜けられないようになってしまう。そんなカルト宗教の洗脳から抜け出た人の本を読んだ。

 

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2022年 読書#47

『カルト宗教信じてました』たもさん著という本。コミック本なんだけれど、以前にネットで一部を読んだことがあって気になっていた。通して読んだことで、カルト宗教の洗脳の巧妙さ、そして恐ろしさを実感できた。

 

著者はこの宗教組織の実名を書いているけれど、ここでは念のために伏せておこう。当然ながら信者の人もいるし、信教の自由もあるわけだからね。具体的に知りたい人はこの本を読んでもらえばわかる。

 

著者の場合は二世信者で、母親が狂信的な信者だった。それで父との喧嘩が絶えず、結果として母は著者をその組織へ連れていくようになった。まだ10歳の少女には抵抗できないだろう。元々学校でも友人が少ない著者だったので、宗教に取り込まれる条件がそろっていたように思う。

 

カルト宗教の基本は『善意の恐怖』で成り立っている。この組織も世界の破滅がやってくると伝え、逃れるのには信者になるしかないと思わせる。人間は罪があって無力であることを刷り込まれ、その宗教の神だけが救ってくれると信じ込まされる。信者でない人間はサタンだという扱い。

 

ひどいのは子供に対する虐待。適切な医療を受けさせず、命を落とした子供もいる。それだけでどのカルト宗教なのかわかる人にはわかるだろう。医療問題だけでなく、子供の指導にも暴力を奨励している。集会中に大人しくしてない子供のお尻を叩く音が普通に聞こえていたらしい。

 

著者が洗脳から抜けられたのは、この組織で知り合った男性の影響。信者だったけれど、ちょっと距離を置いている人だった。その男性と結婚したことで、狂信的な母から離れることができた。さらに著者に子供が生まれた。そしてその子供が重大な病気になってしまう。

 

そのときに教団は教理を守るように強制した。だけど最終的に著者夫婦は、子供の命を守ることを優先。こんなこと親にとって当たり前なのにね! とにかくそれをきっかけにして二人して洗脳から解かれ、その組織から離脱することができた。

 

著者が後書きに書かれていたけれど、もしこの本をその教団の信者に見せても洗脳は解けないだろうとのこと。なぜなら自分が洗脳されているとまったく思っていないから。「これは変だ」という疑問が発生しない限り、洗脳を解くことは難しいと記されていた。

 

カルト宗教というのは、そんな疑問さえ抱かせないよう、人間の心を縛り付けてしまうということだろう。でも少しでも『疑問』を覚えている人だったら、この本を読むことが助けになると思う。なかなか壮絶な体験談だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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