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高羽そらさんインタビュー

『若草物語』は実話だった

今年になってまったく未知だった『若草物語』の映画を2種類観たことで、この物語の世界観にハマってしまった。もしかしたらアメリカ南北戦争時代の空気感は、ボクを惹きつける『何か』があるのかもしれない。

 

『風と共に去りぬ』も同時代の物語で、映画から原作、そして別の著者が書いた続編、さらにスカーレットではなくレットを主人公にしたスピンオフ作品まで読んだからね。

 

同じパターンでついに『若草物語』の原作を読んだ。

 

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2022年 読書#48

『若草物語』L・M・オルコット著という小説。ボクはこの作品がそのまま映画化されたと思っていた。ところが『若草物語』は全部で4作あり、ボクが観た2本の映画はこの作品プラス、続編の範囲まで映画化されていた。知らんかったなぁ。

 

文庫本の小さい文字で改行の少ない文章が450ページもある。なのにこの作品が終わったのは、ローリーの家庭教師であるジョン・ブルックが長女のメグにプロポーズした場面で終わっていた。メグが17歳なので、主人公のジョーはまだ16歳。

 

映画では成人したジョーが実家を離れて作家になるところまでの物語。ローリーとのすれ違いや、恋人との出会いまで語られている。なのにこの第1作では実家を出ることもなく、三女のベスもまだ亡くなっていない。

 

成人してからの四人姉妹の数奇な未来があるからこそ、前半の物語が生きてくる。だから映画の制作サイドとしては、そこまでひとつの物語として映画化することにしたのだろう。たしかにこの原作だけの物語なら、ボクは映画を観ても原作を読もうとしなかったと思う。

 

そうは言っても映画の前半だけでも、やっぱり原作のほうが面白い。映画で使われているエピソードはもちろん、それ以外のシーンで笑ったり感動させられたりした。ボクがもっとも面白く読んだのは、映画にはなかったジョンとメグの婚約に至る過程。

 

メグはまだ17歳だから本気で結婚について考えられない。次女のジョーも姉が貧乏なジョンと結婚することを好まず、断るという雰囲気になっていた。そしてそのとおり、ジョンがメグの気持ちを訊いたとき、予定どおりに断りの返事をする。だけどそこにやってきたのがお金持ちのマーチ伯母さん。

 

二人のやり取りを偶然見かけて、貧乏人のジョンをボロクソに言った。こんな男と結婚なんかしたら、メグには私の遺産を一銭たりともやらないとまで言った。ところがメグはマーチが嫌い。だから反抗的になってジョンをほめちぎった。そのうち自分の本当の気持ちに気づき、将来は結婚することを約束してしまう。

 

著者によるマーチ伯母の使い方がうまいし、地団駄踏んで悔しがるジョーの姿が最高だった。こうした部分に多くの読者が惹きつけられるんだと思う。ところがこの『若草物語』というのは、著者の自伝的な小説だったそう。巻末の解説を読んで驚いた。

 

著者は実際に4姉妹だった。そして同じような出来事が起きている。著者自身が事実と同じだという場面について述べている。

 

・第一篇の芝居の部分。

 

・ベスの死。

 

・ジョーの文学的ならびにエイミーの美術的才能。

 

・メグの幸福な結婚。

 

・ジョン・ブルックの人柄とその死。

 

これらは事実を物語に脚色したものとのこと。解説には物語と実在の人物の対照が書かれていた。4姉妹だけ書いてこう。

 

メグ=アンナ(長女)

 

ジョー=ルイザ(次女でこの物語の著者)

 

ベス=エリザベス(三女)

 

エイミー=アバ(四女)

 

そう思って物語を思い返すと、ますます四人に愛着が湧いてくる。ただふと思ったのは、この時代の北部と南部のちがい。『風と共に去りぬ』のスカーレットは、南北戦争の傷跡をひきづって苦労していた。

 

この4姉妹も貧乏に苦しんでいたけれど、南部のような悲惨さは感じなかった。同じ時代でも、場所によって生活は随分とちがっていたのかもしれないね。とにかく続編をすべて読むつもりなので、原作の4姉妹に再会できるのを楽しみにしている。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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