話を捻り過ぎると迷走する
その日に観る映画をチョイスするとき、考慮するのは気分と体調。落ち込んでいるときに悲惨な作品は避けたいし、明るい気分でも中途半端なコメディを観てしまってテンションが下がることもあるから。
特に意識しているのは眠気。眠いときに『2001年宇宙の旅』のような作品を観てしまうと、どれだけ名作でもほぼ確実に映画の冒頭で爆睡してしまう。先日、鼻炎の症状が出て薬を飲んだ。この薬はよく効くけれど、自動車を運転できないほど眠くなる。
だから派手なアクションで、銃弾の飛び交う映画がいい。それである作品をチョイスしたけれど、完全にミスってしまった。
2022年 映画#145
『リーサル・ソルジャーズ』(原題:All the Devil’s Men)という2018年のイギリス映画。アクション作品で、かつイギリス映画。それで期待したんだけれど、半分近くまで観てボクは薬の眠気に耐えられなくなった。それで一度中断して、仮眠を取ってからようやく最後まで観終えたという作品。要するに眠気を吹っ飛ばしてくれるような作品ではなかった。
主人公はコリンズという元ネイビーシールズの隊員で、現在は賞金稼ぎの傭兵をしている。主な雇い主はアメリカのCIAだった。今回のターゲットはマクナイトという元諜報部員の男性。組織を裏切り核弾頭を手に入れて不当に売買しようとしていた。そう、この映画のテーマは『裏切り』。
コリンズはマクナイトが取引をするロンドンまでやってきた。そこでつかんだのはデイトンという男の情報。警備会社を経営していて、コリンズの戦友でもあった。2人の仲間と共にデイトンに会った。そして彼からマクナイトに接触する段取りをしてもらう。ところがデイトンが裏切った。そう再び『裏切り』の登場。
仲間の一人を殺されたコリンズは、雇い主であるCIAのリーという女性に報告する。デイトンはマクナイトに雇われていると。どうしてもマクナイトを殺したいリーは、作戦の続行を命じる。この時点で、なんとデイトンがリーに接触してきた。
リーはCIAとして大統領の作戦許可を得ている。だけど本当の目的は父を殺したマクナイトの復讐だった。デイトンはそれを知って、マクナイトより多額の報酬を出すなら、彼を殺してやると取引を持ちかける。その代わりにコリンズたちを誘い出して殺すという条件。ここで今度はCIAのリーが裏切る。
これでわかるように、裏切り者が続出するというストーリー。物語を捻るのはいいけれど、何度も捻りすぎて完全に迷走している。ある程度シンプルな部分もないと、観ている人間は飽きてくる。だからボクは眠気に耐えられなくなった。
そこそこいい雰囲気だったのに、ストーリーを捻りすぎた残念なパターンだと思う。ちなみに主人公のコリンズを演じていたのは、マイロ・ギブソンという俳優。どこかで聞いた名前だなと思ったら、メル・ギブソンの息子だった。せっかくの初主演作だったのに、作品に恵まれなくてちょっと気の毒な気がした。
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