思い込みの影響で愕然
今日は朝から素晴らしい晴天だったので、午前中に妻と連れ立ってお花見散歩をした。今年も福井までのドライブお花見は中止したので、歩ける範囲で桜を楽しむことにしたから。
最初の目的地は、神戸護国神社。コロナ禍となってからは神社内での宴会が禁止されていた。でも今年からは宴会も解禁。今日は平日だったので場所取りは1組しかなかったけれど、今週の週末は大勢の人で賑わうだろうと思う。
こんな雰囲気で、神社の境内でお花見ができる。お参りもしてきたけれど、爽やかな空気を全身に感じる素敵な神社だった。
その護国神社に面した山麓線も花ざかり。普通に歩道を歩くだけで、お花見ができちゃうという素晴らしい道路。三宮から2番の神戸市営バスに乗って終点の六甲まで乗車すれば、この景色を車窓から楽しめるよ。本数は少ないけれど18番のバスに乗れば、この景色にプラスして五毛の桜のトンネルも見られる。これはかなりオススメ。
そしてこの山麓線を経由して、帰り道は神戸大学を通過することにした。春休みなので大学構内はひっそりしていた。
神戸大学の駐車場ではこんな桜が出迎えてくれた。ほぼ満開だよね。
そして大学の校舎脇にも、こんな美しい桜が。神戸大学は桜の木でいっぱいなので、どこを歩いてもお花見ができる。残念ながら新入生が通学する頃には散っているけれどね。これで約1時間半の散歩。といっても神戸は坂道ばかりなので、かなりいい運動になったなぁ。
さて、ある本を読み終えて愕然とした。高校生のころに読んだ作品。愕然とした理由は、ボクの思い込みだった。
2023年 読書#33
『北条政子』永井路子 著という小説。著者は今年の2月に亡くなられた永井路子さん。1979年に『草燃ゆる』という大河ドラマが放送された。北条政子を主人公にした物語で、政子を演じたのは岩下志麻さん。夫の頼朝を演じたのは石坂浩二さんだった。
そのドラマをきっかけにしてこの時代が大好きになり、原作とされていた永井さんの小説を読んだ。『炎環』という作品が原作で、他にはこの『北条政子』も原作とされている。だから当時はどちらの作品も読んだ。
昨年に『鎌倉殿の13 人』が放送されたことで、ボクの鎌倉時代オタクが再燃。それでいろいろな作品を読む過程で、この小説を思い出した。それで久しぶりに読んだけれど、ラストで愕然としてしまった。なぜなら3代将軍の実朝が暗殺された場面で唐突に終わってしまったから。
北条政子で有名なのは、承久の乱において政子が幕府の御家人たちに演説する場面。昨年のドラマでも、小池栄子さん演じる政子がすばらしい演説を行った。この場面があってこその北条政子。なのに実朝暗殺で終わってしまうなんて。尻切れトンボの気分になって、気持ちの持って行き場がなくなった。
これはボクの思い込みのせい。この作品は妻、そして母としての政子が描かれている。尼将軍として政治に関わる部分は詳しく語られていない。『炎環』では演説について書かれているし、1979年のドラマでもそのシーンは明確に記憶している。だからこの作品もそうだと思い込んでいた。
思い込みって怖いよね。せっかくの秀作を、最悪の読後感で読み終えることになってしまった。そのシーンを楽しみにしていたからだろう。でも女性の視点から書かれた政子の生き様が克明に描かれていて、彼女の葛藤をリアルに感じられる素敵な物語だった。だからこそ、この作品も承久の乱まで書いて欲しかったなぁ。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする