夢体脱日記#169
今日は明晰夢の楽しみ方について書いてみよう。今朝、ちょっと面白い明晰夢を見たので、ちょうどいい例になるかと思ったから。
明晰夢というのは、夢を見ている最中にその世界が夢だと気づく体験。その段階で体外離脱と同じように探索できる。最初のうちはその自由度に魅了されるので、映画の『インセプション』のようにイメージの具現化にハマってしまう。
ところが夢というのは、見ている人の潜在意識が映像化されている場合が多い。だからあえてその世界に介入しないことで、想定外の体験が可能になる。明晰夢に熟練した人なら、そのまま夢を放置する方が面白いはず。物語のストーリーは知らない方が楽しいからね。
夢の最初はカフェにいた。場所は東京だと分かったけれど、この段階では夢だと気がついていない。カフェの壁面は大きなガラスで、外の様子がよく見える。広場のようになっていて、20代のくらいの男女のバンドが演奏をしていた。歌っているのは『東京ブキウギ』をジャズ風にアレンジした曲。
ドラマの影響かなと思って、女性の美しい歌声を聞きながらコーヒーを飲んでいた。ところが広場の音楽が悲鳴に変わった。大勢の人が逃げ惑っている。気になって外に出ると、高台となった丘の上に古そうな寺院があった。高い五重塔に並ぶようにして立っていたのは大魔神だった。この時点で夢だと気づいた。
大魔神は寺院を破壊していて、その勢いで丘を降りて街に向かってくるのが分かった。さて、ここでどうしようかと思った。明晰夢なので設定を変更することができる。でもこの夢の本質は、怖いことから「逃げる」というボクの潜在意識の具現化だという気がした。
だったら「逃げる」ことを克服するために、大魔神と戦うという選択肢がある。けれども夢だと分かっていても怖いし、瓦礫が当たったりしたら本当に痛い。どうせそのうち大魔神と目が合い、ボクのところに向かってくるのはわかっている。
少し悩んでいると、背後で大きな唸り声が聞こえた。そこにはキングコングがいた。大魔神にキングコングという、年齢が分かってしまうキャラの登場に笑ったwww おそらくこのままだと大魔神VSキングコングになるのは必至。そしてボクはその争いに巻き込まれるだろう。
だったらせっかくの体験なので、「逃げ切る」ことにトライすることにした。カフェを出て、大魔神やキングコングから離れるように全力で走った。途中の街は知っている気がする。とにかく駅を目指して走った。そしてどうにか列車に飛び乗って東京駅から神戸に戻るつもり。
その前にスマートフォンを出して大魔神の写真を撮影すると、しばらく走ってようやく駅を見つけた。ところが乗り場が10ヶ所くらいあって東京駅に向かう路線がわからない。それで駅員さんに尋ねると、東京駅行きの列車が出るホームを教えてもらった。到着すると列車は走り出す寸前。
どうにか飛び乗ったのは1両編成の列車。座席は見たことのない配列で、歯抜けになったジクソーパズルのようになっている。どうにか座る場所を見つけた時に列車が走り出した。車窓から外をみたら、大魔神に破壊された街から煙や火の手があがっている。スマートフォンを出して写真を確認した。大魔神はバッチリ写っている。
東京駅に到着したら新幹線に乗って神戸に戻ろう。そして妻にこの写真を見せてあげようとワクワクしていた。ふと気がつくと、ボクのとなりに少年が座っている。そういえば車内の人たちは慌てた様子がない。それで少年に訊いてみた。「大魔神が襲ってきたよね?」
すると少年は笑いながら答えた、「あぁ、あれは映画の宣伝だよ。だから大丈夫」とのこと。なんというつまらないアホなオチ。自分の夢のいい加減な設定に笑えてきて、これ以上逃げるのがアホらしくなってやめた。というような明晰夢。
結果としてはつまらない内容だったけれど、あえて夢の世界を変更せずに体験することで、想定外の面白い体験ができる。明晰夢の本当の楽しみ方は、その世界の流れに任せることだと思っている。
さて、こんなリアルで不思議な体験ができる夢体脱は、誰でもやる気と根気があれば経験できます。興味のある方はこの本をぜひ!
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