自分の依頼者を「相手方」と呼ぶ怪

民事訴訟において、

訴えを提起する方は原告、訴えられる方は被告というこれは常識の範囲なので、聞いたことのある人も多いのではないかと思う。

なお、報道機関は刑事裁判にかけられている人を「被告」と表現するが、あれは正しくない。

正しくは「被告人」であり、修習中、ある裁判官は報道機関が被告人を「被告」と呼ぶことに憤っていた。

その理由も聞けばなるほどと思うところがあるが、それはまた別な機会に。

 

さて、調停や労働審判では

それらの申立てを行う人を「申立人」、申立てをされた方を「相手方」

と呼ぶ。

 

民事訴訟で原告の代理人は「原告代理人」、被告の代理人は「被告代理人」

調停・労働審判とうで

申立人の代理人は「申立人代理人」、相手方の代理人は「相手方代理人」

 

原告は・・・、被告は・・・、と書面に書くわけだが、

これが調停や労働審判になると、

申立人は・・・、相手方は・・・、と書くことになる。

 

そうすると、自分が申立てをされた側(相手方)の代理人である場合を考えて欲しい。

必然的に代理人弁護士は、自分の依頼者を指して「相手方」「相手方」と書くことになるのである。

通常、語句の意味からすれば、相手方とは自分と対立する他方当事者のことを指すはずなのだが・・・・

 

弁護士になって最初の2年ほどはこれに苦戦した。

起案の途中でだんだん頭がこんがらがって来て、「相手方」とは誰を言うのか、次第に分からなくなってくる。

その後、この混乱を回避するために、

申し立てた側をx、申し立てられた側をyと記載して書面を起案し、

最後にwordの置換機能を使って、

xを申立人、yを相手方、と置換する方法を覚えた。

 

しかしながら、

自分の依頼者を相手方呼ばわりすることの不自然さ・すわりの悪さは自分の中で一向に消えていないので、

今般「相手方」側で手がけている調停では、

試験的に自分の依頼者を

「相手方」ではなく、

「被申立人」

と書面に記載して裁判所に答弁書や準備書面を出してみている。

 

裁判所から怒られるかと思いきや、

裁判官も調停委員も、書記官も、申立人代理人も、誰も何も言わない。

 

自分としてはコペルニクス的大転回のつもりだったので、

なんだか拍子抜けである。

 



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坂本尚志プロフィール

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坂本尚志(さかもとたかし)
生年月日: 1981年8月15日
血液型: O型
出身地: 福井県福井市
休日の過ごし方: 仕事ときどき昼寝

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