2-1.プログラム・デザイン

第2章では「実際に行うトレーニングの内容を決める」という部分に関して進めていきます。

第1部 プログラム・デザイン

トレーニングの組み立て

新年度を迎え、どのカテゴリーでもリーグ戦や大会の予選が始まり、毎週末の試合に向けて日々のトレーニングに励んでいることと思います。
そこで今回は「試合と試合の間の1週間をどのように過ごしていけば良いのか?」について解説していきます。

プレイヤーとして目指すゲーム・パフォーマンスとは、試合で「思い通りのプレーを出来るだけ長く続ける」ということではないでしょうか。

そして、思い通りのプレーをする為には、ゲームに必要な要素を身体に備えていることが必須です。

ゲームに必要な要素としては「技術・戦術・戦略・体力・心理」が挙げられますが、これらに対して「どのようなトレーニングを、どのタイミングで実践していくのか」という考えが必要になります。

基本的な考え方は、サッカーに必要な要素のトレーニングを「過負荷-超回復の原則」の波を描きながら実践していくこと。

つまり、回復に時間を要するトレーニングを週の始めに行い、徐々にトレーニングの量を減らし、試合が近い日は疲労を回復させながら動きのスピードを求めるトレーニングを行うといった取り組み方です。

これによって、コンディション的に「キレのある動きを出来るだけ長く続ける」ことが出来るような状態を作り上げていくことを目指します。

なお、ここでのキレのある動きとは「動作間の切り替えの速度が速い動き」を指しています。

サッカーで必要な身体的要素

では、身体的な面からみたサッカーに必要な要素について考えてみましょう。

elements

エネルギー供給経路の観点

■有酸素能力
SAIDの法則から見た時にキレのある動きとは対極にある要素

■乳酸の産生と耐性、緩衝能力
運動強度、疲労度ともに高い要素

■スピード
運動強度は高いが、疲労度は低い(但し、トレーニング量が過剰な場合を除く)

動きのパフォーマンスの観点

■筋力的強化
筋力そのものを上げる。
強度が高く、回復に時間を要する

■バランス
全身の筋肉の協調性を高める。
運動強度、疲労度ともに低い。
ただし、タイミングとしては週の始めに全身のバランスを整えて、良い状態でトレーニングをスタートさせたい。

■アジリティ(スピード)
効果的、効率的な動きを習慣化(自動化)させる。
ウォーミング・アップの中に取り入れて日常的に取り組めると効果的である。
実践する日によって、求める動きのスピードを変化させていく。

具体的には週の前半はスピードを求めず、効率の良い動きを丁寧に実践する。
週の後半はその動きのスピードを上げて動かしていく。

スピードを求めると強度は高くなるが、疲労度は低い(但し、これもやり過ぎれば疲労度は高くなる)

基本的なプログラム・デザイン

前項で述べた要素に、以前のトレーニング論でも述べた回復時間も加味してデザインすると以下のようになります。

program_design01

次回からは、トレーニング内容をより具体的に示していきたいと思います。

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谷塾(プロフェッショナル・フィジカル・コーチ 谷 真一郎)プロフィール

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谷 真一郎(たにしんいちろう)
所属事務所:ヴァンフォーレ甲府
ニックネーム:谷くん、谷さん、谷ちゃん
生年月日:1968年11月13日
身長・体重:170cm
血液型:AB型
出身地:愛知県名古屋市

【経歴】
1968年愛知県名古屋市生まれ。愛知県立西春高等学校から筑波大学体育専門学群に進学し、蹴球部に所属。在学中には日本代表にも招集される。卒業後は、日立製作所サッカー部(現柏レイソル)に入団。引退後は柏レイソルの下部組織で指導を行う傍ら筑波大学大学院でコーチ学を専攻する。その後、フィジカルコーチとして、柏レイソル、ベガルタ仙台、横浜FC、現在はヴァンフォーレ甲府と15年に渡り4チームを指導。Jリーグで500試合以上のコンディショニングに携わる。日本サッカー協会公認A級ライセンスも持ち、日本で唯一の代表キャップを持つフィジカルコーチとして活動している。

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