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お浜さんと私



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昨日


ミュージカルUkiyo Hotel


のお稽古にお邪魔させて頂きました


主人公であり実在した娼婦お浜の気持ち·····というか、同じ裸売りとしてちょっとしたアドバイスをしに。


お浜さんの気持ちは正直言って分からない。


ただ、裸売りが思う事や感じる事や仕草や癖とか·····そんなのが伝えられるのかなぁって。時代背景が違っても体を使うこの仕事で思う部分は似たり寄ったりなんじゃないかなって。


このお浜さんが数々の逸話を残す程の人気者だったのは『覚悟を決めていた』からじゃないかな。


ここで働く、我が身で稼ぐ、そういう覚悟


そして


男達の前で泣くのはお浜さんの素で、とてもとても愛されたかったんじゃないかな


普段は明るく陽気に振舞って行為の中で泣く·····これ私には出来ない愛らしさと意地らしさがある。お客様の前で泣くってなかなかの高等技術だよ。だけど、お浜さんの涙は真実のみを写したものだったのかも。愛を欲する涙。若しくは肉体を抉られる心の痛み。これが嘘泣きだったらそれはそれで素晴らしい接客テクニックだよ。


素の自分を半分、偽りの自分を半分、これを上手くミックスして出せる子って人気があるんだよね。男性達が何の疑いも持たずに信じて好きになっちゃうの。だけど·····事実は分からないから全て憶測になっちゃうけど、体売りとして人気者になっても心はずっと渇いたまま、人恋しさと虚しい気持ちは払拭されない。


明るい振る舞いはお客様に安心を与え、涙は保護欲に掻き立てられる。安らぎと愛情、これを引き出すのが上手かったんだろうな。


太陽と月

陰と陽


この使い分けがしっかりできた人だったのかな。自分の見せ場を分かっているっていうね。



全て私の主観だから事実は分からない


でも


私自身が風俗嬢としての絶頂期は、泣きはせずともこんな感じだった。何故にあそこまで出来たのかなって我ながら感心しちゃうくらい、男性の気を引いて持たせるのが上手かった。ついたお客様全員を自分のお客様にする自信も結果もあって、だからこそお浜さんがお客様の前で泣く気持ちが分からなくもないの。



愛を欲するが故だったのかな


って




そんなお浜さんは73歳の時に強姦され殺害されているんだけど、いつまでもいつまでも魅力ある女だったのかな。


同じ裸売りの私としてはそういう最期も悪くないなって。なんとなく自分の最期がお浜さんと同じでもいいな·····なんてふと思ったり。



わからないじゃない


誰にも先のことは


でも


自分の最期は自分で決めたいし、できるだけ希望通りにしてもらいたいものだね









絶頂期の私が欲しかった物はなんだろう



今も物欲ってあまりないんだけど、あの頃と今と欲しがっている物は変わらないのかなー。よくわかんないや。


でも


頑固で意地だけで突っ走ってきたおかげで人前で泣かなかったのに、今は泣いてもいいって言ってくれる人の前でよく泣いてる


そういう事ができるだけで今は幸せだと思う


だから


まだまだ分からない先の事を考えるのは勿体無い


まだ楽しい事や面白い事は溢れていそうだし、まだ見ていない世界があるし、知らない事が沢山あるから、お浜さんの最期云々は考えるのやめましょ。




お浜さんの事はお芝居を観たらまた書きます。




 

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月緒(つきお)

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