私たちは消された展
2月14日から始まった
「私たちは消された展」
私は明日の最終日にSMショーで参加をさせて頂きます。
今回、ショーをするにあたって過去を振り返ってみたけど、SNS等で凍結も垢バンも受けたことがなかった。TwitterもFacebookもInstagramも全て開設当初から何事もなく平和に続いている。なんだか、箸にも棒にも引っかからないつまらない人間だなぁ…と思ったり思わなかったり。
とはいえ、それでは「私たちは消された展」で私がショーをする意味が無い。
だから考えた。
ちょっとばかり消された事があるかなーっと過去を振り返ってみた。
したらば
「風俗嬢になった頃」「幼少期」がふわりと頭に浮かんだ。
もう遠い遠い過去の事
過ぎた古い記憶をわざわざ文字にしなくてもいいだろうと思いつつ、せっかくの機会なんでつらつらと綴ってみるのもいいかもと、思い出しつつ書いてみる。
幼少期についてはネタとしてお仕事を頂ける程度の出来事は多々あるけど、書き出すと長ったらしくなるのと、幼児期の出来事を書くだけ言うだけで「不幸に酔っている」「悲劇のヒロインごっこ」だとか言う人間が出てきて面倒なので割愛する。
そもそも当事者でもない他人が五月蝿く文句を言っても、幼女だった私は完全無敵の不幸ちゃんだったんだよ。不幸に酔えたらそれは幸せだよ。酔う暇も余裕もないくらい幼女時代の私クッソ可哀想。とっても可哀想。誰も言ってあげる人間がいないから私が代わりに幼女時代の私にたんまりと言ってやる。月緒、どちゃくそ不幸で可哀想。だからね、不幸を恨め憎しめ泥水啜って地べたを這いずってでも生きろ打破してやれって。
そう言ってやりたいし、言葉通りの生き方をしてきた。
こればかりは誰になんと言われようと事実だからどうしようもない。
そんな紆余曲折の幼女時代から性を売れる年齢になった18歳。
17歳から18歳になった翌日
私は風俗嬢になった。
今から20数年前、風俗嬢の人権なんぞ皆無だった。
風俗嬢という存在は確実にあって。
風俗嬢に需要は確実にあった。
風俗嬢は特別でもなんでもない。誰かの日常には当たり前の存在。
なのに
「職業は風俗嬢です」
こう伝えた瞬間から空気が変わる。
色欲、侮蔑、蔑み、強欲、これ等が一瞬で空気として伝わってくる。
簡単にやれるんじゃないか
簡単に貢ぐんじゃないか
下等生物
売女
汚物
堕ちた女
風俗に来るお客様をはじめ、様々な人々からこのような言葉が私の体や心や脳内を通り過ぎていった。
そして
私が風俗嬢だと知っていた母は兎にも角にも隠せ、絶対誰にも言うなバラすなみっともないとキツくキツく言って聞かせてきた。
そして
とある風俗店を辞める時は社長に言われた。辞めるならお前が風俗嬢なのを親に言ってやる、と。
そして
友達だった子達も言った。恥ずかしいから風俗嬢だと周りに言わないで。友達が風俗嬢とか普通はありえないでしょ?あと、お金を貸して少しでいいから、来月返すから。男友達は、今すぐ来て何もしないから、本当に何もしないから、でももしもの時はいいよね、だって風俗嬢じゃん。あと奢ってよ、お金貸してよ。
職業
風俗嬢
これを口にするだけで人間の本性がよく見えた。
どんなに良い人ぶっていても
どんなに学歴が高くても
どんなに家柄がよくても
どんなに社会的地位があっても
風俗嬢を目の前にするとどす黒くて汚い本性が出てくる。これは今も昔も変わらない。二十数年が経過したって人の根幹はそうそう変わらない。
面白いなって思う。
だからね、十八歳から風俗嬢をしてきてただ一つだけ決めていたのは、職業は隠さず偽らずに生きていく、これ。
自分で選んだ風俗嬢という生き方は、昔こそ多少の後悔があったけど、結局は自分で選んだ道だから受け入れるしかない。
なら堂々と風俗嬢として生きていこうと決めた。
隠せと言われても隠さなかった
蔑み
侮蔑
貶し
説教
こういう言葉を吐く人間はどんどん縁を切った。
お金や体を求めてきた人間も全て縁を切った。
職業
風俗嬢
これを言うだけで人間をふるいにかける事ができる。とても便利な言葉。
私はここに存在しているし、私という生き方がそこにある。風俗嬢という生き道を選んだ人間はちゃんと存在をしている。
消されたりなんかしない。
私はここにいる
そう言い続ける
私のSMショーはMの時もSの時もそんな意味を多分に持ってやっているけど、そんなのは言わなきゃ分からないよね。
普段はこんな事は言わないもの。
誰かにこの気持ちをわかって欲しいという気持ちは無かったし。
今回、消された展でのSMショーをきっかけに書いてみました。
結局、消されていないから私は場違いかもしれないけど、一人の女が風俗の世界で覚悟を決めて生きている…そんな姿を見て頂けたらとおもいます。
私たちは消された展の前に赤羽Enadにて「キャバレー赤羽」出演させて頂きます。こちらの方もぜひ是非観に来て下さい。
( *´꒳`* )
幼少期の出来事については、家田荘子先生のYouTubeチャンネルにてお話しをしていますので配信されたら見て下さいませ
(●´ω`●)
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