メラノーマと皮膚ガン!
やっぱり日焼けの刺激は怖いね!気をつけないと…。
メラノーマはなぜできるのか?
メラノーマは、色素を持った皮膚がんの一種で、和名を悪性黒色腫と言う。いったん発生すると、体のほかの場所にも広がりやすく、死亡につながる場合も多い。細胞の遺伝子の変化と関係すると分かってきており、その特徴を生かした薬が登場している。
このたびメラノーマの発生を促す仕組みの一つとして、新たな遺伝子の関係が発表された。英国マンチェスター大学を含む研究グループが、科学雑誌のネイチャー誌7月24日号で報告した。
今回、メラノーマの促進に関係するのが分かったのは、これまでメラノーマ以外の皮膚がんの発生に関係していると分かっていた遺伝子だ。
具体的な名前で言うと、「TP53」「Trp53」と呼ばれるもの。p53というタンパク質を作り出すための遺伝子で、本来であれば、がんにならないように抑え込む機能がある。しかし、遺伝子の変化(遺伝子変異)が生じるとがん化に関係してくる。紫外線を受けた時に、メラノーマとは異なるがんを発生させる原因になる遺伝子と知られていた。メラノーマと関係があるとは考えられていなかった。
研究グループは、メラノーマになりやすい特徴を持ったマウスを対象に、日焼けとメラノーマ発生の関係を検証した。
ちなみに、人間のメラノーマの半分には、細胞の増殖に関係する「BRAF(ブラフ)」と呼ばれる遺伝子に変化が存在すると分かっている。「V600E変異」と呼ばれる変化であり、今回の研究で使ったメラノーマになりやすいマウスはこの変化した状態のBRAFを持っている。
調べたところ、TP5、Trp53という2つの遺伝子に変化がある時に、メラノーマができやすくなると分かった。紫外線を当てる回数を増やすほどメラノーマはできやすくなった。
2つの遺伝子は紫外線の影響を受けて機能しており、がんの予防には日焼け防止による保護が意味があると研究グループは見ている。
新しい仕組みが分かってくると、対策も取りやすくなる。
文献情報
Viros A et al. Ultraviolet radiation accelerates BRAF-driven melanomagenesis by targeting TP53. Nature. 2014;511:478-82.
Ultraviolet radiation accelerates BRAF-driven melanomagenesis by targeting TP53. – PubMed – NCBI
Nature. 2014 Jul 24;511(7510):478-82. doi: 10.1038/nature13298. Epub 2014 Jun 11. Research Support, Non-U.S. Gov’t
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