中原中也の「帰郷」
今回の旅で何度も頭に浮かんだ詩が
中原中也の「帰郷」です。
中原中也の故郷は山口なので、
山河や海の優しさが少しだけ似ています。
中学、高校時代に
好きだった詩です。
…………………
帰郷
中原中也
柱も庭も乾いてゐる
今日は好い天気だ
縁〈(えん)〉の下では蜘蛛の巣が
心細さうに揺れてゐる
山では枯木も息を吐〈(つ)〉く
あゝ今日は好い天気だ
路〈(みち)〉傍〈ばた〉の草影が
あどけない愁〈(かなし)〉みをする
これが私の故里〈ふるさと〉だ
さやかに風も吹いてゐる
心置なく泣かれよと
年増婦〈としま〉の低い声もする
あゝ おまへはなにをして来たのだと
吹き来る風が私に云ふ
・・・・・・
「ああ お前は何をして来たのだと
吹き来る風が私に言う」
のあたりで涙腺崩壊です。(笑)
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