「重曹うがい」と「フッ素入りリステリン」のスタックは
Supportive Periodontal Therapy (以下、SPT) のために、イソプロピルメチルフェノールのジェルと塩化セチルピリジニウムのガーグルが効果的だということをアメブロのほうで以前に紹介した。
ナイスなメディカルガーグル
http://ameblo.jp/doronjo7/entry-11669640102.html
しかし最近になって、歯の黄ばみが気になるようになってきた。ホワイトニングするのは面倒だし、、ということで、以前からやろうと思っていた「重曹うがい」を実行することに。
ちなみにfacebookでジュリア・ロバーツが重曹で歯磨きしているという記事を紹介したとき、歯科関係のFBフレンド(結構多い)からの反応はゼロ。今回もそうなるものと思われる。まぁ素人の戯言だと思って聞き流してください。
さて口腔内pHを高めるために重曹を使うというのは明快な解決法で、しかしちょっと検索してみると、歯のエナメル質を溶かす可能性があるという。そこでさらに調べてみた。
調べている途中に気が付いたのだが、医学関係のブログには学術論文のリンクが貼ってあることが多いのに、歯科関係のブログには滅多に論文へのリンクがない。理由はわからんが、とりあえず自分で論文をあさってみた。
Effect of bicarbonate on fluoride reactivity with enamel
http://revistaseletronicas.pucrs.br/ojs/index.php/fo/article/viewFile/4285/3659
↑の論文によれば、重曹はプラークのpHを下げるのには効果的だが、フッ化カルシウムのエナメル質における形成を妨げるという。ただしこれはpHの関係だけでなく(pHが高いと形成されにくい)、重曹のアニオンによる直接作用でもあろうとのこと。
なるほど、では先に重曹でうがいをして、その後にフッ素入り歯磨きやガーグルを使えば良いのではないか。しかしフッ素と言えば、その安全性に賛否両論。いろいろ調べた末の結論は、「飲みこまなければ、メリットがデメリットを上回る」。子供の場合は飲み込んでしまいやすいので、あまり勧めたくはないが。
では、どんな製品が良いのか。
Impact of an Anticaries Mouthrinse on In Vitro Remineralization and Microbial Control
http://www.hindawi.com/journals/ijd/2014/982071/
↑の論文では、フッ素入りのリステリンである「LISTERINE Advanced Defence Cavity Guard」が群を抜いて良い成績である。よし、これを買おう。
・・売ってない。日本語で紹介しているサイトすら皆無だ。
どうも日本では薬事法の関係で、フッ素入りのは歯科医師の診察を受けてからでないと使えないようなのだ。まぁ仕方ない、高いけど個人輸入しよう。
さてさて、ミュータンス菌により口腔内pHが5.5以下だと、歯が脱灰して削れやすくなっている。だから先に「重曹うがい」を行い、その後に歯磨きをする。そして最後にLISTERINE Advanced Defence Cavity Guardで洗口する。これで完璧なはず。
なおこちらの論文によると、arginine bicarbonate はさらに有効なようだ。重曹だけではプラークの表面しかpHを高めることができないが、これは内部まで浸透するらしい。アルギニンパウダーと重曹を混ぜたら、とんでもない味になりそうだが・・
Dental plaque pH recovery effect of arginine bicarbonate rinse in vivo.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23509832
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