アリストテレス型とプラトン型
丸山眞男の本を読んでいたら、教育方法について語っているところがあって、「教えるタイプには2つある。自分の知識を滔々と述べていくタイプと、相手と対話をしながら自分の知識・見識を分け与えていくタイプだ」。
そして前者をアリストテレス型、後者をプラトン型と呼んでいた。
丸山眞男本人はどうだったかというと、プラトン型だったようで、大学での講義はむしろ苦手であり、講義終了後の学生たちとの「駄弁」こそに意義が見いだせたという。
そこで想起されたのが、マイケル・サンデルだ。彼の授業もやはり学生たちの意見を聞き、対話しているように見せながら、実は自分の思う方向にリードしていく。
私はどうなんだろう、とセミナーのことを思い出しながら考えていると、どちらかというとアリストテレス型で、自分の知識を一方的に垂れ流していき、最後に短時間の質疑応答という感じ。
だが、質疑応答のときに良い質問が出たりすると、自分でも気づかなかったような流れで回答しながら面白い内容の回答を紹介できたりする。
これぞヘーゲルの言うアウフヘーベンであろうけど、やはり「良い質問」というのは毎回期待できるものではなく、質問者一人だけに役立つもので、聴講者すべてに役立つというようなものはあまりない。
ブログでも対話形式にしたものは、自分でも書きやすかったような気がする。
プラトン方式のセミナーもいつかはやってみたいものだ。
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