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咀嚼の必要性

たまにある質問で、「食事を食べるのが面倒なので、毎食プロテインとかMRPにして、後はサプリメントでビタミンなどを補うというのでもいいでしょうか?」と聞かれることがある。

しかし、もちろんそれはNG。しかしなぜNGなのか詳しく解説したことがこれまでになかったので、ここで簡単にまとめておこう。

 

まずは咀嚼を含む摂食行動により、aFGF (acid fibroblast growth factor) が分泌される。このaFGFには記憶をつかさどる海馬を刺激する作用があり、咀嚼によって記憶力が改善される可能性がある。

そして咀嚼により、脳のヒスタミン神経系が賦活される。中脳にある咀嚼中枢が興奮するとヒスタミンが量産され、それが脳全体に行きわたる。満腹中枢にはヒスタミン受容体が密に存在するため、咀嚼によって満腹感が起こるとされている。

また満腹中枢は交感神経であり、咀嚼によって活性化されると内臓脂肪が燃焼されやすくなるとも言われている。さらに脂肪合成酵素の活性を抑え、ブドウ糖の脂肪細胞への取り込みも阻害するとされている。

 

また咀嚼は唾液の分泌を促す。意外にも唾液は一日に1500ccも分泌されるのだが、それは単なる水分ではなく、NGF(神経成長因子)やEGF(上皮細胞成長因子)などのほか、抗菌物質や免疫グロブリンなども含んでいる。もちろん消化酵素も含む。

ドライマウスによって口腔が乾燥すると、歯周疾患のリスクが上がり、感染症や誤嚥性肺炎、消化管障害などの原因になりうる。

 

さらに顔面にある筋肉の約70%は口腔周囲に存在し、これを鍛えることで顔の「しわ」や「たるみ」などを改善できる可能性がある。口腔周囲の筋肉を鍛えることを目的とした「筋機能療法(Myofunctional Therapy : MFT)というものもあり、矯正歯科などで指導してもらえるが、自分でも手鏡と木製のスティック、ストロー、スプレーボトルなどを使って行うことができる。興味のある向きは検索されたし。

 

また口腔の老化度指標として、咬合年齢(咬合力)と歯周年齢(歯周ポケット)、のみこみ年齢(嚥下能力)、歯年齢(現在歯数)、唾液年齢(唾液量、Candida菌数、唾液CoQ10量)の5項目を挙げることができる。なおCandida菌は加齢に伴う唾液量の減少、免疫力の低下、義歯の装着や口腔ケアなどにより変化すると言われている。諸臓器のCoQ10量はすべて加齢によって減少することが知られているため、唾液のCoQ10の測定も行われる。

 

以上、まとめると、咀嚼は次のような作用がある。

 

・記憶力を改善し、

・消化を良くするとともに満腹感をもたらし、

・脂肪を燃焼させ、

・唾液を出すことによって免疫増強や歯周疾患などのリスクを低下させ、

・顔のシワやたるみを改善する

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山本義徳|やまもとよしのり(ボディビルダー)プロフィール

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山本義徳(やまもとよしのり)
生年月日:1969年3月25日
血液型:A型
出身地:静岡県

【経歴】
1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
◆著書
・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
・サプリメント百科事典(辰巳出版)
・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
など30冊以上

◆指導実績
・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

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