ダイエットサプリメント ベスト10 2000年版

2ooo年ごろに書いた文章を転載。今書くとしたら、かなり直すところは多いけれど、未だに参考になる部分、けっこう多いと思う。

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ダイエット用のサプリメントについて
ここではダイエット向けサプリメントについて考察するが、ドーピングチェックで問題となりうるもの(エフェドリンなど)については割愛することとする。また甲状腺ホルモン関係のものも、ドーピングチェックの問題は少ないものの、割愛することとしよう。甲状腺関係は上手く使えば非常に有効だが、ひとつ間違えると筋肉量を簡単に落としてしまう。決して安易に使って良いものではない。

さて、ダイエットを助けてくれるサプリメントとなると、大きく次の6つに分類できる。

・ 吸収阻害系(キトサン、ギムネマ、ガルシニアなど)
・ 食欲抑制系(テアニン、ヒスチジン、フェニルアラニンなど)
・ 脂肪蓄積阻害系(CLA、グロビン蛋白分解物、クロムなど)
・ 蓄積脂肪燃焼系(ホルスコリン、カフェイン、CLAなど)
・ アンチカタボリック系(BCAA、グルタミン、ホスファチジルセリンなど)
・ 水分排出系(カリウム、タンポポの根、ウワウルシなど)

ただし前二者はシリアスなトレーニーには必要ないだろう。吸収阻害系は必要な脂溶性ビタミンやミネラルを排出したり、体内に実際に取り込まれる栄養素の分量が把握できないという欠点がある。また食欲抑制系も、大量の脂肪を落とすのでなければ必要なしである。ビルダーは代謝が高く、かなり摂取カロリーを多くできるため、食欲に悩まされることは少ないだろう。

むしろ、どうしても食欲が抑制できない時があったら、食べてしまったほうが良い。その時に限って、吸収阻害系サプリメントを摂れば良いのである。脂っこいものが食べたい場合は、食後にキトサンを。甘いものが食べたい場合はギムネマやHCAを、といった感じである。

さて、後四者から、私が特に効果的だと思うものをピックアップして紹介していこう。
以下が私の「トップテン ダイエット用サプリメント」である。

1. CLA(共役リノール酸)
これは健康にも良好な効果を及ぼすため、ダイエットには第一に薦めたいものである。作用としては、まずは脂肪をエネルギーに換える酵素の活性化が挙げられる。この酵素は「カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ」といって、ミトコンドリアにおいて脂肪がエネルギーに換わるβ酸化という代謝のスピードを決定する重要な酵素なのである。
β酸化はミトコンドリアだけでなく、ペルオキシゾームにおいても行われるのだが、CLAはペルオキシゾーム増殖因子でもあり、さらにペルオキシゾームの脂質代謝関連酵素の活性を上昇させる。

次に重要なのは、リポたんぱくリパーゼ活性の抑制である。リポたんぱくリパーゼは血中の中性脂肪を加水分解して遊離脂肪酸にする酵素だが、中性脂肪は遊離脂肪酸になってから脂肪細胞に取り込まれるようになっているため、リポたんぱくリパーゼが働くと皮下脂肪の蓄積につながってしまう。そしてCLAはこの酵素の活性を抑えることにより、脂肪蓄積を妨げてくれるというわけである。

また、ホルモン感受性リパーゼという酵素の活性を上昇させる作用もあり、蓄積された脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールとに分解して血中に放出する。この時にトレーニングをしていれば、蓄積された脂肪が燃焼するわけである。

最後に、インスリン感受性を増強するという作用もある。脂肪細胞を分化させて脂肪細胞の大きさを減少させ、小さい脂肪細胞の数を増やすこと。これがインスリン抵抗性を改善するのだが、CLAは脂肪細胞の分化に必要なPPARという受容体に結合してそれを活性化させ、大きい脂肪細胞を分化させて小さい脂肪細胞にする。またPPAR活性化により、レプチンの制御にも関わってくるようである。

摂取方法としては、朝食後に1.5gとトレーニング前の食後に2.5g。トータル4gを目安に摂ると良いだろう。


2. GLA(γリノレン酸)
前述した通り、γリノレン酸にはテストステロンレベルを保つ作用があり、またエストロゲンレベルの過度な上昇を防ぐ。ダイエット期にテストステロンレベルが低下しがちであることを考えると、できれば摂取したいサプリメントである。

食物ではバターや牛乳、オートミールに含まれるのだが、ダイエット期にバターや牛乳は摂りづらい。オートミールも食物繊維が多いため、せっかくのGLAが排出されてしまう可能性がある。
また、UCP-1を活性化して体熱を産生し、代謝を上げる作用がある。これはダイエットには大いに役立つであろう。さらに肝機能の向上により体脂肪を分解させる酵素
(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ、ペルオキシゾームβ酸化酵素)の活性を向上させる。

さらに1系統のプロスタグランディンを産生し、抗炎症作用、コレステロール低下、免疫向上など、さまざまな健康面でのポジティブな作用がある。

摂取量としては一日に500mg~1gで十分であろう。あまり多く摂りすぎると
アラキドン酸の生成を増加させてしまう可能性がある。


3. αリポ酸、クロム、バナジウム、コロソリン酸など
ダイエット中は炭水化物の摂取量が少ないため、それほどインスリン感受性に対して敏感になる必要は無い。ただしエフェドリン系のサプリメントを摂取している場合、これはインスリン感受性を低下させてしまうため、クロムのようなインスリンアゴニストが必要になる。

またトレーニング後はインスリンに似た作用を持つαリポ酸やバナジウムを摂取してアミノ酸やグルコースの取り込みを高めると良いだろう。オフであれば十分な炭水化物を摂取すれば良いが、ダイエット中は大量の炭水化物を摂取してインスリンを分泌させるわけにはいかない。

摂取量としては、クロムを一日量として500~1000mcg、毎食後に分けて摂る。トレーニング後にαリポ酸を200~400mg、バナジウムを20~30mg。


4. カプサイシン、ショウガ、ニンニクなど
これらは食事から摂取可能であるが、サプリメントとしても販売されている。いずれも副腎からのアドレナリン、全身の神経末端からのノルアドレナリン分泌を引き起こし、体温を上昇させるとともに、脂肪を燃焼させる。
摂取方法としては、各サプリメントの表記に従って欲しい。個人的には食事から摂れば十分ではないかと思っている。


5. ホルスコリン
これはアデニルシクラーゼという酵素を活性化し、サイクリックAMPと呼ばれる
ホルモンの「セカンドメッセンジャー」の働きを活発にするものである。このサイクリックAMPはホルモン感受性リパーゼを活発にして蓄積脂肪を血中に放出し、覚醒レベルを高める。

また筋細胞の増殖にはc-fosという遺伝子が強くかかわっているのだが、プロテインキナーゼAを活性化するホルスコリンには、このc-fos遺伝子発現を誘起する作用がある。つまり、ホルスコリンを摂取することにより筋細胞が増殖する可能性があるということである。

摂取方法としては、ホルスコリンとして20mgを一日2~3回で良いだろう。トレーニング前の空腹時に摂取すると効果的だと思われる。


6. カルニチン
カルニチンはリジンから作られるが、ダイエット中はその変換が上手くいかない可能性がある。前述のとおり牛肉(特に馬肉)に含まれるが、あまり牛肉を食べない場合は、ぜひサプリメンテーションしたい。
カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアに運び込む役割をし、血中脂肪をエネルギーに変える。平常時の筋肉のエネルギー源は脂肪なので、カルニチンを十分に摂取することにより、安静時に使われるカロリーを増やすことができるのである。
サプリメントとして摂る場合は、最低でも一日に500mg。できれば2g程度を摂取すると、効果が体感できるようである。


7. グルタミン
アンチカタボリックのために第一に挙げられる栄養素である。ダイエット中はトレーニングだけでなく、「空腹感」そのものがストレスとなる。グルタミンはストレスに応じて筋肉から放出されてしまうのだが、それがカタボリック=筋破壊へと繋がってしまうわけだ。

ただしグルタミンは少量(2~3g)の摂取では、小腸でエネルギーとして使用されてしまう。そのため、ある程度の大量摂取が必要となるのだが、あまり多くの量を摂取するとグルタミンの代謝産物であるピログルタミン酸の毒性が問題となる。この問題が生じず、グルタミンの効果を得られる最適摂取量としては、10~20gといったところであろう。


8. BCAA
BCAAの効果は周知のとおりであるが、特にダイエット中に有用であるのは、そのテストステロンレベル保持作用である。通常のトレーニングではワークアウト時間が75分を超えるとテストステロンレベルが低下していくが、ダイエット中はもっと短い時間でテストレベルの低下が起こる恐れがある。
BCAAは、これを防いでくれるのだ。しかしそのためには十分な量を摂らなければならない。体重1kgあたり0.2gは必要である。もし80kgのトレーニーなら16gとなる。

しかし、BCAAは一度に大量摂取すると下痢を引き起こす恐れがある。これを防ぐには、数回に分けて摂取することだ。テストレベルの維持以外にも、アンチカタボリック作用を期待するために、BCAAはトレーニング前に摂取したい。具体的には、トレーニング40分前に10g、加えてトレーニング15分前に5~10gで良いだろう。1回10gでも下痢してしまう場合は、さらに小分けにすればよい。

またBCAAは脳内トリプトファンのレベルを下げて、覚醒作用を高める効果がある。これは疲労を感じたときなどに有効だろう。このために摂取する場合、5g程度で十分である。


9. タンポポの根
ダンデライオンルート。これは肝臓での解毒作用を促進し、肝機能を高めてくれるほか、非常に強い利尿作用も持つ。たいていの利尿剤、利尿サプリメントは体内のカリウムを減らしてしまうのだが、タンポポの根の場合は体内にカリウムを保持する役割があるのだ。

利尿剤などは過度に水分を排出してしまいがちなところがあり、副作用も大きい。
ポージング中に筋肉が攣ったり、筋細胞からも水分が排出されてしまって萎んだ身体になってしまったり、ということは良く聞く失敗である。
しかしタンポポの根による利尿作用は適度なものであり、副作用の心配はない。

摂取量としては一日量として2000mgを食後数回に分けて。コンテストの2日前から摂り始めると良い。


10.クエン酸
効果的な減量のためには、基礎代謝を上げる事が肝要となる。通常の生活で使われているATPは、主に脂肪から作られているということを考えると、基礎代謝を上げる為にはクエン酸サイクルが円滑に機能していることが必要だということになる。

このためには、クエン酸サイクルの律速酵素(代謝の第一段階で働き、その代謝の速度を決定する酵素)であるアセチルCoAカルボキシラーゼを活性化する必要がある。そして、その働きがクエン酸にあるのだ。換言すれば、クエン酸を摂取することによりピルビン酸からオキザロ酢酸への変換が進みやすくなり、クエン酸サイクルが活性化するということである。
また、クエン酸にはグリコーゲンの蓄積を促進する作用がある。これはカーボアップ時に有効であろう。

摂取量としては、毎食後、あるいはトレーニング後に2~3gで良い。大量に摂取すると組織内にクエン酸が溢れ出し、ATPクエン酸リアーゼという酵素によってマロニルCoAが生成される。これには脂肪酸のミトコンドリアにおける燃焼を妨げる役割があるため、クエン酸の取り過ぎは逆効果になってしまう。

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山本義徳|やまもとよしのり(ボディビルダー)プロフィール

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山本義徳(やまもとよしのり)
生年月日:1969年3月25日
血液型:A型
出身地:静岡県

【経歴】
1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
◆著書
・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
・サプリメント百科事典(辰巳出版)
・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
など30冊以上

◆指導実績
・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

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