健康自主管理の重要性
三石巌氏が晩年に書いた「健康自主管理システム」という全6冊のシリーズがありますが、ここで提唱されている健康自主管理という概念こそは、今後の私たちが目指していくべきものではないでしょうか。
医学界は最近になってようやくコレステロールは動脈硬化と関係ないという指針を打ち出してきました。しかし三石巌氏は少なくとも1976年に刊行された「ビタミンE健康法」にて、「誤れるコレステロール伝説」というタイトルで「菜食主義者にも動脈硬化あり」、「コレステロールは人体に必須」、「よって体内でコレステロールは大量につくられている」、「卵を食べてもコレステロールは上昇しない」、「動物実験の結果はウサギのような草食動物を使用」といった、現代でもそのまま通用する論拠を挙げ、コレステロール摂取と動脈硬化の関係について書かれていました。実に40年以上前の話です。
その翌年、1977年には「ビタミンC健康法」を発刊、その中でビタミンCが緑内障や白内障を予防・治療する可能性について触れています。実は三石氏本人は1960年代に白内障と診断され、このままでは数年以内に失明すると眼科医に宣告されました。そこで1952年に行われたアトキンソンの研究(白内障患者に1g/日のビタミンCを与えたら有効だった)や、1963~1968年に行われたインドでの研究を参考に、ビタミンC大量投与を始めました。そして見事、失明を免れたのです。
なお国立がん研究センターがビタミンC摂取と老人性白内障発症の関係について論文を発表したのは、それから30年下って2007年のことです。
コレステロールと動脈硬化の関係に似ていますが、痛風だからといって、プリン体を制限する必要はないということも、最近になって言われるようになりました。食事からのプリン体を制限しても尿酸値は変わらず、また体内で合成されるプリン体のほうがずっと多いことが判明しているからです。
医学界や製薬会社に関する陰謀論に耳を貸す必要はありませんが、彼らが「正しいことを言う」のを待っていたら、私たちの健康はとっくに破壊されてしまいます。不健康になったら病院に行けばいいというのではなく、私たちは自分の健康を自分で護らねばなりません。そのためには正しい知識を採り入れ、咀嚼し、実行するしかないのです。
ショーペンハウアーはこのようなことを言っています。「新しい真実が出てくると、最初は無視される。次に激しい反対にあう。そして最後には『そんなのは最初からわかっていたことだ』といって処理される」。
日本国内における糖質制限なども、最初は無視されていましたが、徐々に広まるにつれて糖尿病学会が激しい反発をするようになりました。現状、この段階です。しかし数年後には糖尿病学会もシレッとして糖質制限を認めることになるでしょう。
アスリートの筋トレも同様です。今は激しい反発にあっている状況かもしれませんが、数年後に結果を出す選手たちが頻出してくれば、老害評論家たちも「筋トレの良さ?そんなことは最初からわかっていたよ」と言い出すような気がします。
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