「わかってもらおう」とする努力
どんな業界にも専門用語はありますが、トレーニング界においてもそれは例外でなく、「今日はどこ?」と聞かれれば普通は地名を答えますが、トレーニーはその日にトレーニングする部位を答えます。
「肩はスーパー?」、「普段はそうだけど、たまにジャイアント」なんて会話はトレーニングしていない人にとってはチンプンカンプンでしょう。
栄養についてもその通りで、少し前までは医療関係者でもEAAとかクレアチンなどは知られておらず、このあたりの知識はトレーニーの独擅場だったのです。
そしてこれは筆者のせいでもあるのですが、他のトレーナーと差別化を図りたいトレーナーが専門用語を駆使してブログやSNSなどで情報を発信しはじめ、マウンティングしようとします。
それに対して「お客様はそんな知識を求めていない」と主張するマーケティング重視トレーナーが反撃したりして、この業界もなかなか面白い様相を呈してきています。
それはさておき、「わかってもらおう」とする努力はどんな場合でも大事です。しかしそのためには、先にこちらが相手のことを理解する必要があります。
相手を理解するためには、思考を柔軟に保ち、他人の意見を客観的に受け入れ、判断分析できなければいけません。
脳においてはニューロン(神経細胞)とグリア(神経以外の細胞)が存在しますが、柔軟という言葉からも連想されるとおり、これらが問題なく働くために「細胞膜の流動性」が適切である必要があります。
ここでは特に細胞膜における「リン脂質」が重要になります。これに問題が起こると「小胞体ストレス」がかかり、神経細胞死が増加する可能性が示されています。(※1)
この研究ではリノール酸をエサに添加することで薄くなったリン脂質膜を元に戻し、神経細胞死を防いでいますが、これはショウジョウバエでの結果ですのでヒトでは別の結果になる可能性もあります。
ヒトの場合、現時点では「レシチン」が有効ではないかと思われます。レシチンにはホスファチジルコリンやホスファチジルセリンも含まれ、脳機能を安全に高めることが知られています。できれば酸化を抑えるためにビタミンEを追加すると良いでしょう。
※1:
Parkinson’s disease-associated iPLA2-VIA/PLA2G6 regulates neuronal functions and α-synuclein stability through membrane remodeling.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2019 Oct 8;116(41):20689-20699. doi: 10.1073/pnas.1902958116. Epub 2019 Sep 23.
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